働き方改革の取り組み事例11選!大企業・中小企業の事例を紹介

働き方改革の取り組み事例11選!大企業・中小企業の事例を紹介

働き方改革

働き方改革の施策を検討しているものの、どのような施策を導入すればよいか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。働き方改革を実践する際は、他社事例を自社のケースに当てはめることで、成功率が高い施策を実施できるようになります。ここでは、大企業と中小企業の働き方改革の取り組み事例をご紹介します。

働き方改革とは

働き方改革とは、少子高齢化に伴う人口の減少や多様なライフスタイルに対応するべく、従業員の生産性向上や就業機会の拡大、能力を発揮できる環境づくりなどを推進することです。働き方改革について詳しくは、「働き方改革とは?目的や背景から取り組み方まで徹底解説」をご覧ください。

大企業の働き方改革の事例

大企業は、中小企業に先行して働き方改革関連法が適用されました。大企業が実施している働き方改革の取り組みについて、事例を6つご紹介します。

リコージャパン株式会社

リコージャパン株式会社では、1日単位のシフト勤務や1ヶ月単位の変形労働時間制などを採用しています。その他、在宅勤務やモバイルワーク、フリーアドレス、サテライトオフィスなども導入し、多様な働き方に対応してきました。業務ロボの活用やITツールの導入など、業務効率化も積極的に推進しています。その結果、16年度の月間平均残業時間10.6時間を達成しました。さらに、有給休暇を取得しやすい職場風土づくりと制度改定にも取り組んでいます。

リコージャパン株式会社では、働き方改革に役立つITツールを提供しております。詳しくはこちらをご覧ください。

https://office.solution.ricoh.co.jp/products/desknavi/feature

日本生命保険相互会社

日本生命保険相互会社は、長時間労働を是正することを目的に、効率化できる業務や必要な業務を徹底的に洗い出しています。平日は20時に必ず退社、水曜日は18時退社を徹底するだけではなく、一斉消灯によって帰宅を促しています。また、一定以上の残業をした場合は産業医による面接を義務付け、心身の健康を保つことに注力していることも特徴です。その他、月1回自分の成長や家族との時間を過ごすことを目的としたブラッシュアップデー休暇と称し、有給休暇の取得を推進しています。

働き方改革関連法には残業時間の上限規制の内容が含まれているため、チェックしておくことが大切です。詳しくは「働き方改革の残業規制とは?内容や取り組み方から企業の事例まで紹介」をご覧ください。

株式会社ベネッセコーポレーション

株式会社ベネッセコーポレーションでは、ノー残業デーを推進しています。事業部門や個人単位でノー残業デーを実施することで、必要な残業を排除してしまうリスクを抑制。さらに、各部門の部長・課長に残業削減の目標を与えています。決して高い目標ではなく、努力すれば達成できる目標を定めることで、管理者の負担の軽減に成功しました。また、有給休暇の取得を推奨する日には会議を行えないルールを定め、有給休暇の取得率を高めています。

サントリーホールディングス株式会社

サントリーホールディングス株式会社は、グループ12社の全部署に働き方改革推進リーダー制度を導入しています。働き方改革の推進における課題を現場目線で見つけ出し、課題解決に向けた対策を立案・実行します。さらに、従業員それぞれの生産性向上を目的に、ノウハウを見える化して全体で共有するためのナレッジサイト「変えてみなはれ」を開設しました。そこから「変えてみなはれ大賞」を表彰することで、新たなノウハウの創出を促しています。

三井不動産株式会社

三井不動産株式会社は、休まずに仕事と介護を両立できる状況を目指し、フレックスタイム制度を導入しました。そのほか、介護コンサルティング制度や介護費用補助制度、介護休業を導入するなど、主に介護と仕事の両立に力を入れています。また、精神面のサポートを目的に介護セミナーを年2回開催し、介護に関する会社制度や基礎知識について紹介しています。育児と介護を理由とする在宅勤務制度も導入しており、半日だけ出社・在宅、一部業務のみ在宅など、多様な働き方に対応しています。

大和ハウス工業株式会社

大和ハウス工業株式会社は、終業時刻に事務所を閉める「ロックアウト制度」、有給休暇の取得を促すための「ホームホリデー制度」、社内基準を超える残業を行った事業所にペナルティーを課したり指導したりする「ブラック事業所認定制度」などを導入しています。また、自主的なサービス残業を防ぐために、残業申請をせずにパソコンを使用し続けた場合に警告画面が表示され、それでも使用を続けるとシャットダウンする仕組みを導入しています。これらの取り組みにより、社員1人当たりの平均残業時間を2016年には2014年比で10%以上削減することに成功しました。

中小企業の働き方改革の事例

中小企業も大企業と同じく働き方改革に取り組む必要があります。中小企業の働き方改革について詳しくは、「中小企業の働き方改革の取り組み方は?内容から他社事例まで紹介」をご覧ください。

ここでは、中小企業の働き方改革の取り組み事例を5つご紹介します。

株式会社スープストックトーキョー

株式会社スープストックトーキョーは、月の公休9日と年12日の生活価値拡充休暇を合わせて年間120日の休暇取得を就業規則に定めました。また、副業・兼業を認める「ピボットワーク制度」も創設し、多様なライフスタイルに対応しています。その結果、2018年度の月平均残業時間20~30時間が2019年には半減しました。

さらに、働く時間と曜日を選べる「セレクト勤務制度」を導入しており、全5段階の勤務時間を全従業員が申請できます。これらの取り組みにより、離職率の低下と新卒・中途採用の応募者の増加に成功しました。

株式会社サカタ製作所

株式会社サカタ製作所は、業務の属人化を防ぐために部署内の勉強会を開催し、知識の共有を促しています。また、各部署の残業時間データをまとめ、管理者会議で議題に挙げることで、会社全体で残業時間の減少に向けて取り組んでいます。その結果、従業員1人当たりの月平均残業時間が2014年の17.6時間から2015年には5.9時間に減少し、それ以降は2019年まで1時間を維持してきました。また、男性の育休取得を推進するために、「イクメン表彰」を導入しています。その結果、2018年と2019年には男性社員の育休取得率100%を達成しました。

株式会社水清建設

株式会社水清建設はICTを積極的に導入し、業務負担を減らすことに成功しています。また、定年を65歳へ延長したほか、子育てや地域活動などを理由に休暇を取得できる制度も導入しました。さらに、社員の声を聞くための面談を年2回実施し、社長が自ら従業員の声を拾い上げています。その他、工事現場の業務が土日祝日も続く性質を踏まえ、1つの現場の業務が終わると休日出勤した日数分の休暇を最長1ヶ月までまとめて取得できる「リフレッシュ休暇」も導入しています。

株式会社井口一世

株式会社井口一世は、業務の属人化を防ぐために、全社員が幅広い業務をカバーできるよう社員教育を実施しています。その結果、ワークライフバランスを重要視する従業員が有給休暇を取得しやすくなり、チームの結束力が高まりました。また、産休・育休を終えた際に元のポジションに戻すことを確約しています。さらに、業務の属人化を防ぐことで、子どもの体調不良や学級閉鎖などで早退や欠勤が必要になった際にもカバーし合えるようになっています。

札幌高級鋳物株式会社

札幌高級鋳物株式会社は、もともと毎日30分の「たばこ休憩」を導入していました。たばこを吸わない従業員との間に不公平感が生まれないように、たばこ休憩を返上することで30分早く退勤したり遅く出勤したりできる制度を導入しました。そのほか、育児や介護に必要な有給休暇の取得を推進しており、年休消化率は98%へ向上。さらに、女性の採用の推進と同時に、女性が扱いやすい工具を導入しました。

他社の事例を自社に置き換えて取り入れましょう

働き方改革への取り組み事例を自社の状況に置き換えることで、取り組むべき対策が見えてくるでしょう。残業時間の減少、有給休暇の取得率アップ、多様な働き方への対応など、取り組むべき内容はさまざまです。まずは、自社の状況を把握し、課題を洗い出すことから始めましょう。必要に応じて、専門家への相談やキャリアアップ助成金の申請など、国が用意している制度を活用してみてください。