ペーパーレス化を進める方法は?7つのステップと成功ポイント・注意点

ペーパーレス化を進める方法は?7つのステップと成功ポイント・注意点

業務効率化

ペーパーレス化には業務のスリム化やコストダウンなど、多くのメリットがあり、積極的に取り組んでいる企業も多いでしょう。一方で、ペーパーレス化を推進したいけれど、進め方が分からないという企業もあるのではないでしょうか?

書類を電子化して業務をペーパーレス化するには、いくつかのやり方があります。ここでは、ペーパーレス化の導入方法やそのポイント、注意点などを紹介します。

ペーパーレス化の基本‐紙の書類を電子化する方法

ペーパーレス化の基本は、まずは紙の書類を電子化することです。すでに紙で作成された書類と、これから作成する書類では、電子化するための方法が異なります。

ここでは、まず紙の書類を電子化する方法を紹介します。

ペーパーレス化の基礎知識については、「ペーパーレス化とは?実施に向けて改めて基本情報を確認しよう」で、分かりやすく紹介しています。ご参照ください。

紙の書類をPDF化する

既存の書類、これまで紙で作成・保存していた書類は、一枚ずつスキャンしてPDF化して保存します。手間がかかりますが、多くの企業で導入されているスキャン機能搭載の複合機を使えばコストを抑えることが可能です。

スキャンしたあとはOCR(Optical Character Recognition、またはOptical Character Reader)を利用して文字をテキストに変換しておくと、データとして利用しやすくなります。

企業によっては膨大な紙の書類をスキャニングすることになるので、以上の作業はかなりの手間がかかります。そのため、スキャンからデータ化、保存までを請け負う電子化代行サービスを利用する企業も少なくありません。

なお、FAXの場合も、「紙」でやりとりしたものは、上記と同様の処理をして電子化します。

最初から電子文書を作成する

これから作成する文書は、PCを使って最初から電子文書で作成します。そうすれば、改めて電子化する必要はありません。作業の手間が省け、業務のスリム化やコストダウンにもつながります。

なお、現在では、多くの文書管理システムで、FAXについてもデータのまま運用することが可能です。なかには、データ形式で運用する際に、紙のFAXの場合と同様にメモを書いたり、押印の作業ができたりする機能を搭載したシステムもあります。リコーが提供しているRICOH Desk Naviもそのひとつです。動画で紹介していますので、ぜひご覧ください。

チュートリアル-RICOH Desk Navi-FAX文書取り扱い

ペーパーレス化を推進する7つのステップ

ペーパーレス化は、一般的には次のような手順で進めます。

  1. リサーチと現状把握
    文書管理を見直すには、全社規模の現状把握が必要です。そこで部署を横断するリサーチチームを結成し、各部署がどのように書類を保管・運用しているか、どのような課題があるのかを把握します。

  2. 目的・目標設定
    ペーパーレス化の目的と目標を設定します。
    目的とは、リサーチ段階で得た課題をもとに、何のためにペーパーレス化を行うのかということです。それによって、ペーパーレス化に使用するツールが異なります。
    また目標とは、ペーパーレス化によってどのような効果を目指すのかということです。紙文書を含めたファイルをどれだけ削減できるか、処理スピードがどれだけ短縮できるか、どの程度コストカットできるかなど、具体的な数値で設定します。

  3. 計画策定
    ペーパーレス化のスケジュール、ペーパーレス化を行う対象や範囲、優先順位などを決定し、必要なタスクを洗い出します。ここで業務プロセスの見直しを行い、ペーパーレス化が可能な業務とそうでないものを切り分けることが重要です。
    優先順位をつけて、ペーパーレス化しやすいところから実行するとスムーズに進むでしょう。
    また、部署ごとにペーパーレス化の担当者を決定する必要があります。メンバーはリサーチチームと重なる場合が多くなるかもしれません。

  4. ツールの選定
    ペーパーレス化の目的、および使用する部署や業務に合わせて、ツールを選定します。全体の文書を管理するためのシステムだけでなく、各部署で使用する業務システムもペーパーレス化のツールのひとつです。
    システムだけでなく、場合によってはタブレットやスマートフォンなどを用意する必要もあります。
    ペーパーレス化のツールについて詳しくは、「ペーパーレス化のツールにはどんなものがある?種類と機能、選び方を紹介」も参考にしてください。

  5. 文書管理のルール策定
    文書の保存場所、アクセス権、保存期間、破棄の要領など、文書を電子化して管理するためのルールを策定します。全体に関するルールだけでなく、部署ごとの規定も必要です。紙での保管が必要な場合も、運用ルールを決めておきましょう。
    ポイントは明確な規定を作成すること、継続的に運用しやすい体制を作ることです。あいまいなルールや使いにくい規定では、ペーパーレス化も失敗しやすくなります。
    ルールを決めたら、それに沿ってマニュアルも作成しておきましょう。

  6. ペーパーレス化の導入
    ルールに従ってペーパーレス化を行います。最初は新規作成する文書のペーパーレス化から行うと、スムーズに導入できるでしょう。
    最初からすべての文書をペーパーレス化するのではなく、優先順位にしたがって、導入しやすいところから進めていきます。
    ペーパーレス化が浸透してきたら、並行して既存の文書の電子化も進めていきましょう。

  7. 定量測定
    段階的にペーパーレス化を実践していきながら、目標に設定した項目でどの程度の効果があったかを定量的に測定し、可視化します。
    その結果をもとにPDCAサイクルを回し、より高い効果を目標にペーパーレス化を推進していきましょう。

ペーパーレス化を成功させるポイントと注意点

ペーパーレス化を導入する際には、次のようなポイントと注意点があります。

成功させるポイント

  • 段階的に導入する
    すべてを一度にペーパーレス化することはできません。書類の電子化は、各業務の作業内容を大きく変えることになるからです。部署ごとに優先順位をつけ、導入しやすいところから段階的に進めていきましょう。
    段階的に進めることで、導入方法やルールの問題点に気づくこともできます。

  • 社員教育を十分に行う
    ペーパーレス化は、全社で行います。しかし社員のなかには、ITリテラシーやスキルが低い人もいるでしょう。そういう社員には、十分なシステム導入教育やITリテラシー、セキュリティに関する教育が必要です。

注意点

  • 全社一丸となって取り組む
    ペーパーレス化をスムーズに導入・運用するためには、経営陣や管理職から社員全員がペーパーレス化の目的と意義を理解し、必要なことであると納得しなくてはなりません。
    特に、管理職やマネージャーが積極的に関わることが重要です。

  • 取引先の協力も必要
    ペーパーレス化の範囲は、社内の文書だけではありません。取引伝票や契約書・納品書などのペーパーレス化を進めるには、取引先の協力が不可欠です。
    取引のペーパーレス化を提案し、取引先と十分に話し合って理解してもらいましょう。

  • ペーパーレス化は目的ではない
    前述のように、ペーパーレス化を導入する前には、目的や目標を設定します。本来の目的や目標を忘れて、いつしかペーパーレス化することだけが目的になってしまわないよう注意しましょう。

  • システム障害時の対策を決めておく
    ペーパーレス化にはシステムの利用が不可欠ですが、システム障害の発生をゼロにすることはできません。システムダウンした場合にはどうするのか、対策を決めておきましょう。代替処理はどうするのか、あとでどのようにデータをシステムに入力するのかなどを決めておく必要があります。

  • 紙媒体をなくせない部分もある
    部署や取引先、申請書類によっては、どうしても紙の書類を必要とする場合が残ります。その場合、紙の書類をあとでデータ化するタイミングや方法など、適切な運用方法を決めておきましょう。

ペーパーレス化を成功させるには入念な事前準備が必要

ペーパーレス化を検討する企業は増えていますが、一気に全社単位のペーパーレス化を実現するのは困難です。まずはペーパーレス化を導入しやすい特定の部署や業務フローから始め、段階的に全社に広げていけばスムーズに進められる可能性が高まります。そのためには、現状把握や目標設定、ツールの選定、導入する部署の決定など、入念な準備が必要です。

また、最終的に全社に広げていくことを考え、特定の業務プロセスだけでなく、どの部門でも使いやすいツールを選ぶことも大切です。

例えば「RICOH Desk Navi」のように、必要な情報のすべてを保存して一元管理できる“業務ポータル”のようなツールなら、どの部署でも導入しやすいでしょう。情報の共有が楽になり、強力な検索機能も備えているため、部門間をまたぐ業務プロセスもスムーズに処理できます。RICOH Desk Naviについては、下記をご覧ください。

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