フレックスタイム制導入を成功させる秘訣とは

フレックスタイム制導入を成功させる秘訣とは

働き方改革

現在、少子高齢化がますます進行することが予測される未来に働き手を確保するという目的で、政府主導で働き方改革が推し進められています。それに伴って労働者自身が始業時刻と終業時刻を決め、自由な働き方を実現できるフレックスタイム制にも注目が集まっています。

今回は、フレックスタイム制とはどのようなものなのか、ということにも触れながら、導入時の注意点や事例などについて紹介します。

フレックスタイム制とは?

働き方改革が推進されるなかで注目が集まっている制度のひとつにフレックスタイム制があります。

しかし、フレックスタイム制と聞いて、漠然と「自由に出退勤の時間を決められる制度」とはわかっていても、どのような制度なのかよくわからない、という人も少なくないのではないでしょうか。まずはフレックスタイム制とはどのような制度なのか説明します

じつは30年も前から始まっていた制度

労働基準法では、雇用契約を結ぶ際に始業時刻と終業時刻を明確に提示するように定めています。

これは、残業代などの手当てもないままに、制限なく働かせ続けることができないようにし、労働者を守るための制度です。企業側にとっても社員の労働時間を一律で管理することができるというメリットがあります。

しかし、労働時間の長さがそのまま成果に直結しないクリエイティブな職種の増加や少子高齢化の進行による育児や介護、私生活と仕事の両立の重要性を意識する人が増加したことに従い、社員、企業の両方から柔軟な働き方を可能とする制度が求められるようになりました。

その要望に対応するため、1987年の労働基準法の改正をうけて、1988年4月より、日本でもフレックスタイム制の導入が可能になりました。

つまり、30年も前からフレックスタイム制は整備されていたのです。

フレックスタイム制はどんな制度?

では、フレックスタイム制とはどのような制度なのでしょうか。

フレックスタイム制とは、清算期間と呼ばれる一定期間のなかでの総労働時間を定めておき、それを満たすように労働者が日ごとの労働時間を自由に決め、働くという制度です。

フレックスタイム制での労働時間は大きく分けてフレキシブルタイムとコアタイムとの2種類に分けられます。

フレキシブルタイムとは、フレックスタイム制の肝となるもので、労働者が自由に出勤、退勤することが可能な時間のことです。

コアタイムとは、必ず出勤しなければならない時間を設けたもののことで、この時間には必ず出勤していなければなりません。社内での会議や会社外との打ち合わせなどがある場合には基本的にこのコアタイムに行われます。

フレックスタイム制では労働者が労働日の出勤時刻、退勤時刻を自由に決められることが基本なので、コアタイムの前後にはフレキシブルタイムも設けなくてはなりません。また、コアタイムは必ず設けなければならないものではなく、すべての時間をフレキシブルタイムにすることも可能です。

裁量労働制との違いとは?

フレックスタイム制とよく混同される制度として、裁量労働制というものがあります。

裁量労働制とは、労働時間を実際に働いた労働時間ではなく、あらかじめ定めた時間働いたとみなし、労働時間の管理を労働者個人の裁量に任せる制度のことです。労働時間の管理を労働者個人が行うことになるため、出退勤の時間も労働者それぞれが決めることになります。

一見、フレックスタイム制と似たような制度のように感じますが、じつはフレックスタイム制と裁量労働制には大きな違いがあります。それは、労働時間の管理と労働評価についてです。

フレックスタイム制では、労働者が、出退勤の時間と1日の労働時間を自由に決めることができますが、清算期間のなかでの総労働時間は満たす必要があります。またコアタイムが設けられている場合には、その時間は必ず出勤していることが必要です。また、労働評価はあくまで実際に働いた時間から評価されることになるため、総労働時間を超えて働いていれば残業代が出ることになりますし、逆に総労働時間を満たしていなければ、給料が減額されることになります。

一方、裁量労働制では、出退勤の時間や1日の労働時間が労働者の裁量に任されているため、自由に決めることができるうえ、総労働時間のように一定期間において勤務しなければいけない時間も定められません。そのため、労働評価は実際に働いた時間からの評価ではなく、あらかじめ「月に何時間働いたこととする」と定めた時間を労働時間として評価する、みなし時間制が採用されています。

もし、1日のみなし時間が7時間と定められていた場合、裁量労働制では実際に働いた時間が何時間であろうと7時間働いたこととして処理されることになります。そして1日のみなし時間よりも多く働いても残業代が出ませんし、逆に少なく働いても給料が減額されることはありません。

裁量労働制は時間評価ができないので成果主義が用いられることになります。

また裁量労働制を導入するにあたっては、労使の双方が納得し合意していることが必要であり、さらに事業所所轄の労働基準監督署長へ届け出る必要があります。

このように、出退勤の時間や1日の労働時間を自由に決められるという点は共通していても、フレックスタイム制と裁量労働制には大きな違いがあるのです。

フレックスタイム制のメリット・デメリット

働き方改革の一環として、自由な働き方を実現する制度として注目を浴びているフレックスタイム制ですが、ただ導入すればよいというものではありません。導入を成功させるためにも、フレックスタイム制のメリット・デメリットをしっかりと理解しておく必要があります。

フレックスタイム制のメリット

フレックスタイム制のメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

社員のワーク・ライフ・バランス適正化の実現

フレックスタイム制の大きなメリットのひとつが、社員のワーク・ライフ・バランスの適正化を実現できるということです。

清算期間内で定められた総労働時間さえ満たしていれば労働者が自由に出退勤時間、1日の労働時間を決めることができます。以下のように、自分の都合に合わせて社員はより自由な働き方を実現しやすくなります。

  • 集中して長時間仕事をした翌日は出勤時間を遅らせる
  • 私用を入れたい日の労働時間を減らし、その後数日多めに働いて労働時間を取り戻す
  • 通勤に用いる交通機関や道路が混雑する時間を避けて出勤、退勤する

子育てや家族の介護が必要となった場合にも、保育所やデイサービス、介護施設を利用できる日に多く働き、普段は早く帰宅するというような働き方も可能となるため、通常の働き方では働きにくい状況にある社員も働き続けやすい環境を作ることができます。

このように、社員一人ひとりの状況に合わせて、社員それぞれが理想のワーク・ライフ・バランスを実現することができるようになるというのがフレックスタイム制の大きなメリットです。

残業の削減

企業側から見てもフレックスタイム制にはメリットがあります。

そのひとつは残業時間の削減です。フレックスタイム制を導入している場合、清算期間のなかで労働時間が基準を超えなければ残業とはなりません。社員が繁忙期で通常よりも長い時間働いた場合には、繁忙期を過ぎた後、通常よりも早く退社してもらうようにして、清算期間のなかで調整することができれば残業を減らすことができます。

つまり、フレックスタイム制を導入しておけば「清算期間のなかで」という制限はつくものの、社員の労働時間を調整し残業代の削減を実現できるのです。

また、残業代を節約するためには、総労働時間を適正な範囲内に収めなければならないため、社員にとっても繁忙期に頑張って働いた分、繁忙期を過ぎた後の余暇が増えることになります。

通常の業務形態では、繁忙期に残業をしていたとしても、繁忙期を過ぎた後も仕事量に関わらず規定された業務時間は出勤していなければなりません。フレックスタイム制は企業にとっても、社員にとっても効率的な制度だと言えるでしょう。

人材の確保

フレックスタイム制の導入は、人材確保という視点でも非常にメリットの大きな制度です。少子高齢化によって人材確保が難しくなることが予測されている現在において、人材確保がしやすくなるということは企業にとって非常に大きなメリットとなりえます。

フレックスタイム制の導入によって時間的に自由な働き方が可能となり、仕事と自分の時間の両立、ワーク・ライフ・バランスの適正化が実現されている企業というのは、入社希望者にとって魅力的な労働環境と言えます。例えば、就職後も自分のスキルを磨くために研修などを続けたいという社員にとっては働きやすい職場となります。また、スキルアップを心がけている社員が継続的に働いてくれるということは、企業にとっても有能な人材確保になります。

また、生活状況が変化し、子育てや介護に時間を割く必要が出てきた社員にとっても有利な制度と言えます。従来の通常の業務形態では、働き続けることが難しく退社を余儀なくされていた社員も、フレックスタイム制の導入によって働き続けることが可能になれば、貴重な人材の離職を防ぐことにもつながります。こうした環境が整えられれば、キャリアのある社員を確保できることになり、企業にとっても大きなメリットになります。

このように、フレックスタイム制には企業にとっても、そこで働く社員にとっても利点の多い制度です。

フレックスタイム制のデメリット

一方で、フレックスタイム制にはデメリットも存在しています。ここからは、フレックスタイム制が抱えるデメリットについて解説します。

社員の自己管理能力に依存

フレックスタイム制のデメリットとしてまず挙げられるのが、社員の自己管理能力に依存する部分が大きく、時間管理が苦手な社員にとっては負担が大きいという点です。

フレックスタイム制は、清算期間に定められた総労働時間さえ満たしていれば、始業時刻と終業時刻、そして1日の労働時間を自由に設定できる制度ですが、裏を返せば、社員一人ひとりが始業時間や終業時間を管理し、そのうえで、清算期間に定められた総労働時間も満たすように計画を立てた働き方をしなければなりません。そのため、社員ごとの自己管理能力の差によって得られる効果にも違いが出る可能性があります。そして必ずしもワーク・ライフ・バランスの適正化が達成できないばかりか、場合によっては業務の進捗に悪影響が出てしまうことも考えられます。

フレックスタイム制の導入の際には、ただ導入するだけにとどまらず、社員それぞれの意識や自己管理能力の差を見据えた時間管理・自己管理能力育成のための研修なども視野に入れて導入することが大切だと言えます。

取引先や社内別部署との時間調整が必要

フレックスタイム制導入のデメリットとしてもうひとつ考えられることは、取引先や社内別部署との時間調整が難しいことが挙げられます。社内別部署との定期的な会議であれば、コアタイムに会議を開くようにすることで、ある程度の解決を図ることが可能ですが、取引先からの問い合わせや急遽開催する必要が生じた会議など、突発的に生じるものの場合には、その案件の担当者がまだ出勤していない、あるいはすでに退勤しているなどの理由で会社におらず、対応が遅れるということが考えられます。場合によっては、その遅れによって仕事を取り損ねたり、最悪の場合には取引先を失ったりする、というようなことも考えられるでしょう。

 

コミュニケーションの希薄化

同じ部署内であっても、それぞれに出勤、退勤する時間が違うとなると、直接顔を合わせるのはコアタイムの時くらい、という事態も起こりえます。そうなってしまうと社員同士でのコミュニケーションが円滑に進まず、他部署はおろか同じ部署内でも連携がうまくいかないというような事態も招くことになります。

さらには、社員同士のコミュニケーションが少なくなると、意思疎通が十分にできずに作業効率が落ちたり、それぞれの社員が抱える心の問題の発見や対応が遅れたりしてしまうことも考えられるでしょう。

フレックスタイム制を導入する際には、取引先や社内別部署への対応や社内でのコミュニケーションが希薄になりやすいという弱点を理解したうえで、それらを補うような対策を練っておくことが大切です。

勤怠管理の複雑化

フレックスタイム制を利用することで、社員に対しての勤怠管理が複雑になるというデメリットもあります。

出退勤時間が定められた通常の業務形態であれば、時間によって一律で定められた賃金があり、残業をした場合にはそれぞれの残業時間に応じた残業代が支払われるという形で勤怠管理が行われます。つまり基本的には1日の労働時間が守られていることを前提に管理することができるのです。

一方で、フレックスタイム制では、それぞれの出退勤時間や日の労働時間がバラバラなため、社員の勤怠管理をする人事部の負担が大きくなってしまいます。つまり、社員個別に管理する必要が出てくるのです。

さらに、フレックスタイム制では、清算期間に定められた総労働時間の扱いがさらに管理を複雑化させています。

フレックスタイム制では、清算期間に定められた総労働時間を下回った場合には、次の清算期間に不足している分の労働時間を繰り越すことが可能とされています。ただし、労働時間を繰り越した結果、総労働時間が法定労働時間を超えないようにしなければなりません。

例えば、総労働時間が160時間と定められていた場合に、ある清算期間における実労働時間が130時間だったとすると、30時間不足分があることになります。その30時間は次の清算期間に繰り越すことが可能ですが、法定労働時間の180時間を超えて繰り越すことはできません。この場合、20時間のみ繰り越すことが可能で、不足する10時間分は賃金のカットで調整することになります。

勤怠管理をしている人事部は、このような複雑な調整を、フレックスタイム制を利用している社員一人ひとりについて管理しなければならないのです。フレックスタイム制の導入を検討している場合には、フレックスタイム制に対応した勤怠管理システムを導入するなど、人事部の負担が増大しすぎることを防ぐ方策も合わせて構築する必要があるでしょう。

このように、フレックスタイム制には決して無視できないデメリットも存在しています。

ここからは、フレックスタイム制を導入する際に余計なトラブルを招かないためにも、どのようなことに注意して導入すればよいのかについて紹介しましょう。

フレックスタイム制の導入を成功させるためのポイント

これまで見てきたようにフレックスタイム制にはメリットもデメリットも存在しています。安易に、ただフレックスタイム制を導入しただけでは、メリットをデメリットが打ち消してしまうばかりか、業務の効率や業績に悪い影響を与えかねません。

余計なトラブルを防ぎつつフレックスタイム制の導入を成功させるためにはどのようなことに注意すればいいのかについて見ていきましょう。

フレックスタイム制導入の際に注意すべき点

まず、フレックスタイム制を導入する場合には、労使協定を結んでおく必要があります。具体的には、以下の項目を定める必要があります。

対象となる範囲

フレックスタイム制の対象となる労働者はどこまでなのかという範囲を決める必要があります。フレックスタイム制では、必ずしも全社員を対象にしなければならないわけではないため、部署ごとや一定の要件を満たした個人といったように対象となる範囲を定めます。

いきなり全社員を対象とするような広範囲で導入した場合には、混乱やトラブルを招く可能性もあるため、まずはある程度範囲を絞って、導入しやすい部署から導入するという方法があります。例えば企画部などのように集中的に仕事をするときと、比較的ゆっくりのペースで仕事ができるといった働き方に違いが出る部署から導入し、制度の運用ノウハウを蓄積するとよいでしょう。

清算期間

フレックスタイム制において区切りとなる期間で、この期間内において労働者は別に定められた総労働時間を満たす必要はありますが、1日ごとの労働時間を自由に決定することができます。清算期間は最大1カ月(働き方改革関連法案可決により2019年4月より最大3カ月に延長)以内であれば自由に設定可能ですが、日本では広く普及している月給制に合わせて1カ月とすることが一般的です。

また、清算期間と合わせて、清算期間がいつから始まるのか、基準となる起算日も合わせて設定しておく必要があります。

総労働時間

清算期間において働くべき時間を決定します。

基本的には、1日8時間、週40時間をもとに決定します。注意すべき点として、総労働時間は一部例外を除いて、基本的に法定労働時間を超えて設定することはできません。

1日の標準労働時間

フレックスタイム制を利用する労働者が有給休暇を取得する場合などに、1日の労働時間の基準となるものとして1日の標準労働時間を定めておく必要があります。

コアタイムとフレキシブルタイム

1日のうちに必ず出勤していなければならない時間であるコアタイムと労働者が自由に出退勤できるフレキシブルタイムを設定します。コアタイム、フレキシブルタイムは必ず設定しなければならないものではなく、終日労働者が出退勤の時間を決定できるようにすることも可能です。

注意すべき点として、コアタイムの前後には必ずフレキシブルタイムを設定しなければならないため、コアタイムを始業時間もしくは終業時間に設定するようなことはできません。

フレックスタイム制導入後に注意すべき点

また、1日の標準労働時間のうちほとんどをコアタイムが占めるような場合やフレキシブルタイムの時間帯が極端に短く実質自由に出退勤の時間を労働者が決定できていないような場合にはフレックスタイム制としてみなされないことにも注意が必要です。

労使協定を締結したら、就業規則に「始業時刻と終業時刻を労働者の決定に委ねる」という趣旨の内容を明記しておく必要があります。

また、制度導入後に注意すべき点として、コアタイム以外の時間帯には出勤命令を出すことができないということが挙げられます。可能な限りコアタイム内に打ち合わせや会議を設定するようにしていても、取引先の都合などによりコアタイム以外に打ち合わせや会議を設定しなければならないというような場合は十分に考えられます。しかしそのような場合にも出勤命令を出すことはできません。

そのような場合には、打ち合わせや会議に参加してもらいたい労働者に対し、業務上必要なものであることを説明し、出席を要請することになります。

また、デメリットの部分でも触れましたが、フレックスタイム制は勤怠管理が複雑化してしまうという側面を持っています。フレックスタイム制を導入した際に、勤怠管理を担当している人事部の負担が大きくなりすぎないよう注意する必要があるでしょう。

社員全員が制度を理解することが重要

フレックスタイム制は社員の働き方の自由度を広げ働きやすい環境を作れる一方で、勤怠管理の複雑化、社内での連携のとりにくさなどのデメリットから、近年フレックスタイム制を廃止する会社もあります。フレックスタイム制をうまく導入し、働き方改革につなげることができなかったことには、共通した理由があります。それが社員の認識不足です。フレックスタイム制は単に出退時間が自由になるわけではありません。自由な働き方のなかで、きちんと求められる生産性を上げる必要があります。つまりそれだけ働くことを自分自身が管理し、スケジュールを組み、実践することが必要になるわけです。そうした働き方の変化について正しく理解し、自分の働き方に適しているかどうかを考えておくことが必要なのです。

言い換えれば、会社側は導入を検討する際に、あらかじめ時間をとって社員に説明をし、必要であれば勉強会を開くなど、十分な理解を求めることが大切です。とくに、管理をすることになる人事部などへの説明と対応マニュアルの作成などは重要な手立てとなるでしょう。

フレックスタイム制の事例紹介

では、こうした準備を経てフレックスタイム制を実現させた企業の実例を見ていきましょう。フレックスタイム制を導入する際のヒントになるのではないでしょうか。

アサヒグループホールディングス株式会社

アサヒグループホールディングスでは「多様な社員が健康で活き活きと働ける環境と整え、一人ひとりの価値を高め、高い成果を出すことで新たなイノベーション創造につなげる」ことを目的に2007年からスーパーフレックスタイムを導入しています。この制度はコアタイムを設けず、始終業時刻を社員本人が決定します。こうした柔軟な働き方環境を整えることで、介護や育児に時間を使いたい社員も安心してキャリア継続ができるようになり、結果として効率的な業務環境を社員が意識するようになったことで高い生産性を維持し続けています。

(出典)ワーク・ライフ・バランス|アサヒグループホールディングス

三井物産ロジスティクスパートナーズ

三井物産ロジスティクスパートナーズは長時間労働をする社員が多い状況を是正するために、フレックスタイム制度を導入しました。導入にあたっては、社員の満足度の向上と収益力の向上を目的にすえ、日本で一番働きたくなる会社を目指しました。つまり、柔軟な就労環境を実現することにより、働きがいのある組織、私生活も充実できるカルチャー、自分の力が高まる機会の提供など、社員が実力を発揮できる機会とモチベーションを作り出しました。

フレックス制は11時〜15時までをコアタイムとするものとしました。そして残業をしがちな若手社員のみならず、管理職にも積極的にフレックスタイムの活用と理解を呼びかけました。これは働き方改革が子育て支援にのみ特化したものにならないための工夫でもありました。

こうした取り組みの結果、休日出勤や残業が減り、2013年には前年比較で15%の総人件費の削減に成功したほか、社員満足度も高まっているとしています。

(出典)取組事例│働き方・休み方改善ポータルサイト(PDF)

企業にも社員にも有益なフレックスタイム制

上記の事例からもわかるように、フレックスタイム制を導入して成果を出している企業はいくつかあります。フレックスタイムを導入するには、企業・社員ともにフレックスタイム制について理解を深めることが重要です。企業・社員のどちらもフレックスタイム制について納得できれば、導入に踏み切り、効率的な就労環境を実現しましょう。

 

参考: