残業に追われるのはなぜ?時間の有効活用を考える

残業に追われるのはなぜ?時間の有効活用を考える

業務効率化

時間はお金と違って誰にとっても1日24時間と決まっています。しかし、使い方は時間もお金と同じで、お金を上手に使って、余った分を貯金したり趣味や好きなものを買ったりするのに使うように、時間も有効に使えば、余った時間に好きなことをゆっくりする時間がとれます。残業が多くて好きなことをする時間がない、休む暇がないと思っている人は、まず、なぜ残業が多いのかを考えてみましょう。同じ仕事の量を与えられていてもさっさと仕事を済ませてしまう、時間を有効活用している人もいます。ここでは、仕事で有効に時間を活用するためのコツをご紹介します。

勤務時間の現状

東京商工リサーチが2017年3月に全国の企業を対象に行った長時間労働に関するアンケートでは、残業がある会社は、恒常的にある会社や時々ある会社を含めて全体の93.8%にのぼっています。残業の理由としては、「取引先への納期や発注量に対応するため」が37.6%、人手不足が24.7%、時間不足が21.1%となっています。

この理由を、もう少し掘り下げて考えてみましょう。取引先への納期や発注量に対応するためには、人手を増やせば解消できます。また一人で業務をこなす時間が足りなければ、これも人手を増やせば解消します。このように単純に考えると、残業の究極の原因は人手不足と考えられがちです。しかし、単に人を増やしただけでは解決できません。限られたリソースを効率的に使うためには、一人ひとりが有効に時間を活用することが大切です。そして、これが残業削減にもつながります。

時間を有効活用するコツ

仕事や作業には、一人で完結するものと、複数の人からなるグループで行うものとがあります。それぞれの問題点をふまえ、時間を有効活用するコツを考えてみましょう。

一人でやる仕事

通常会社では業務実績の管理を月単位で行うことが多く、月末にその月の業務実績をまとめ、翌月初めに報告をするのが一般的です。月末にばたばた慌てないように、月の初めからこまめに情報を入力するなどちょっとした工夫も大切ですが、初旬にまとめた業務内容に変更が加わっていることがあったり、情報をまとめる基準が不統一であったため、結局月末にもう一度やり直したりすることも起こりがちです。このような時間の無駄は、月末にまとめてやる業務は思い切ってすべて月末にまわし、通常は他の業務を優先して片付けるという工夫も必要です。毎日、こまめに業務内容をまとめ、溜めない工夫は、一見、有効な時間の使い方に思えますが、毎日同じ作業に時間を使うことになり、限られた時間を細かく分割することになります。それより、ひとつの業務を決まった時間内で集中して片付けることで、作業時間の短縮も図れるでしょう。この場合、何をいつまでにやらなければならないかを把握しながら、仕事の優先順位をつけるスケジュール管理をしておくことが大切です。

グループでやる仕事

ひとつのタスクを、複数の人で行う必要がある業務があります。例えば、Aさんが行った作業をBさんがチェックして、集まった結果をCさんがとりまとめてDさんに報告するといった業務。また複数の人で手分けしてひとつのプレゼンテーションを行うプロジェクト。さらにAさんが発注した注文の納品確認をBさんが行い、Cさんが支払い処理をするといった業務も、複数の人が行う業務になります。

このような場合、メンバーの間で他のメンバーの仕事が終了するのを待たなければ自分の仕事が始められないという待ち時間が必ず生じます。この待ち時間は、誰が今何をやっていて、どのくらいで終わりそうかをタイムリーに把握することで、待ち時間を有効活用することが可能になります。例えば、ある程度の待ち時間が予想されれば他の仕事を挟むこともできます。また、待ち時間の間に他の作業を他の人に振り分けたり、指示を出しておいたりするなどして、有効に利用することができます。待ち時間の有効利用でタスク全体の時間短縮ができ、すべてのメンバーにとってメリットとなるはずです。

タスク管理に有効なツール

時間を有効活用するためのツールとして、以下のようなものがあります。

タスク管理ツール

共同で作業するチームのメンバーが今どの作業をしているか、作業全体がどこまで進んでいるかを可視化でき、それに合わせて自分が今何をしなければならないのかが把握できる機能を備えています。またひとつのタスクが終了したら、それを引き継ぐ人やチーム全体にリアルタイムで知らせる通知機能もあります。
代表的なものは以下のとおりです。

Trello

タスクカードをボードに貼って情報を管理する形式のツールです。進捗状況に合わせてカードの順番を変えたりリストを加えたりします。付箋を貼ったりはがしたりする感覚で使え、視覚的にタスクのバランスや進捗状況全体を把握できます。担当者のアサインやタスクの締め切りも設定できて、カードに紐付いた詳細やコメント、質問などを追加できます。わかりやすくさまざまな分野に利用できるため、初心者にもおすすめです。
https://trello.com/

Jooto

Trelloと同じく、ボードとタスクカードを使って情報管理を行うツールです。Trello同様、視覚的でわかりやすいため、初心者におすすめです。無料で利用できますが、有料の機能には生産管理や工程管理で便利なガントチャート機能を搭載しています。
https://www.jooto.com/

todoist

タスクを把握・整理できるツールです。「毎週月曜日」など、繰り返しの予定日が設定できます。グラフで進捗状況を確認したり、プロジェクトごとに完了したタスクをチェックしたりすることができます。
https://ja.todoist.com/

スキマ時間の有効活用ができるツール

営業パーソンなど外出が多い人にとっては、移動時間などのスキマ時間をうまく活用することが時間の有効活用になると言っても過言ではないでしょう。メールのチェックだけでなく、経費精算や申請・承認作業など、モバイルでスキマ時間を使って行えるツールの利用も有効です。
代表的なものは以下のとおりです。

ジョブカン・ワークフロー

1ユーザー300円から利用できるワークフローシステムです。おすすめのポイントは同じシリーズで経費精算、勤怠管理、採用管理、労務管理、給与計算システムがあり、それぞれと連携を取って業務効率がアップできることです。
https://wf.jobcan.ne.jp/

サイボウズ・ガルーン

数十名規模から5,000人以上の大企業までをカバーするグループウェアです。メール、チャット、ファイル共有、掲示板、スケジュールなどの基本機能はもちろん、部門、拠点、プロジェクトなどのカテゴリ別に、社内の情報を集約できるポータル機能が特長です。
https://garoon.cybozu.co.jp/

X-point

月額1ユーザー500円(初期費用10万円)から利用可能なクラウドタイプのワークフローシステムです。最大ユーザー数は1,000名のため、中小企業から大企業まであらゆる企業におすすめです。すべての機能を利用できる30日間の無料体験もあります。またサイボウズoffice、サイボウズ ガルーン、SharePoint、desknet’s NEOとの連携も可能です。
https://www.atled.jp/xpoint/

スケジュール管理ツール

何をいつまでにやらなければならないかを常に把握することは、一人でやる仕事にとってもグループでやる仕事にとっても大切です。スケジュール管理アプリを利用すると、自分のスケジュールを他の人とも共有でき、共通のイベントの日程調整で仕事の効率を上げることも可能です。
代表的なものは以下のとおりです。

Googleカレンダー

Googleが2006年からいち早く提供開始したウェブ上のスケジュール管理アプリケーションが、このGoogleカレンダーです。スケジュールの管理機能に加え、GmailやGoogleマップなど、Googleのさまざまなサービスと連動できる点も特徴です。
https://calendar.google.com/calendar/render?hl=ja

Grmo

株式会社エイトビットが提供しているグループウェアです。スケジュール管理のほかに、タイムカードや旅費精算などの機能を利用することができます。
https://grmo.jp/

iQube

株式会社ソーシャルグループウェアが開発・提供しているツールです。スケジュール管理だけでなく、メッセージや社内ソーシャル、報告書やファイルの管理といった機能もあります。
http://www.iqube.net/

残業は時間の有効活用で減らせる

残業をなかなか減らせない原因を、人手不足のせいにしていませんか。会社の限られた資金を有効に使って業績を上げるのと同じように、社員一人ひとりの持つ時間を有効活用して業務を効率化することで、残業を減らすことも可能です。時間はお金と同じで、会社の大切なリソースです。有効に活用することで会社に貢献できるだけでなく、残業が減ることでプライベートの生活も充実します。

 

参考: