ワークスタイル変革を実現するにはICTが必須!使えるツールは?

ワークスタイル変革を実現するにはICTが必須!使えるツールは?

働き方改革

働き方改革とともに、ワークスタイル変革という言葉をよく聞くようになりました。しかし、ワークスタイル変革という言葉に聞き覚えはあっても、どのようなものかよく分からない方も多いのではないでしょうか。ワークスタイル変革の実現には、ICT(情報通信技術)の活用が不可欠です。ここでは、ワークスタイル変革にICTをどう活用するかを紹介します。

ワークスタイル変革とは

ワークスタイル変革とは、文字どおり「ワークスタイル(働き方)を変える」ために多様な働き方を認め、実現するための取り組みのことです。

「ワークスタイル」には、個人と会社の両方の側面があります。
業務の効率化や生産性向上のためには、個人が働きやすい環境を作り、多様な働き方を認めることが必要です。そして、それを実現するためには、会社側の制度や文化にも変化が求められます。

ワークスタイル変革と働き方改革の違いとは

ワークスタイル変革は、働き方改革の中心となる部分です。長時間労働の削減やテレワークなど、多様な働き方を実現するための取り組みを指します。

働き方改革には、兼業や副業の許可、高齢者の就労など広い問題が含まれますが、実際にはワークスタイル変革とほぼ同じ意味で使われることもあります。

ワークスタイル変革を実現するには、クラウドやICTの活用が必須

経営者として、ワークスタイル変革の実現を目指そう、と思ったとしても、いきなりすべてを変えてしまっては社内に混乱を招きます。まずは社内の一部署など、対象を区切って導入し、ワークスタイル変革の有効性を示し、その後、理解を得ながら社内に広げていく必要があります。そのためにも、ワークスタイル変革によって業務が低下したりコミュニケーションが不足したりすることはなく、企業活動にとっても利益になる制度であることを実証しなくてはなりません。

そのためには、多様な働き方を認め、たとえばテレワークや時短勤務などが利用できる制度を実現したうえで、業務の効率化や生産性向上につながる環境や設備を整えることが必要です。クラウドサービスやICTを活用したツールを使用できるようにすれば、社内外といった場所に縛られた働き方からは開放され、より柔軟なワークスタイルが実現できます。

クラウドやICTの活用についての課題

クラウドやICTを活用するには、課題がふたつあります。

ひとつは社員や経営陣の意識改革です。長時間残業する社員を評価する傾向や、クラウドやICTツールを使おうとしない管理者や経営陣が多ければ、成功は見込めません。せっかく設備を整えても活用しきれず、無駄な会議や書類が多い旧式なワークスタイルが続くことになります。

もうひとつは、社内の制度改革です。人事評価がこれまでどおり労働時間を基準にしたもののままでは、長時間労働は解消されません。また、柔軟に働ける環境を整えるための制度も必要です。

ワークスタイル変革のメリット

ワークスタイル変革には、社員だけでなく会社にとっても大きなメリットがあります。

社員の満足度アップ

多様な働き方を取り入れることで、社員の生活スタイルや、育児や介護などの個人的な事情に合わせて働くことが可能です。社員にとっては働きやすくなり、モチベーションアップにつながります。

社員のモチベーションが高ければ、生産性の向上や新たなイノベーションの創出が期待できます。

生産性向上

長時間労働を減らすために非効率な労働環境を見直すことで、効率よく仕事を進められ、作業あたりの労働時間の短縮を実現できます。また、浮いた時間は別の作業や作業の質の向上に当てることができるため、生産性向上にもつながります。

人材確保

社員のモチベーションがアップしたり、育児や介護を抱える社員の退職を防いだりすることで、社員の定着率がアップします。また、社員からよい印象を持たれる会社は評判もよくなるため、新たに人材を確保する際にもよい影響を与えるでしょう。

コスト削減

作業の効率化による人員削減や長時間残業をする社員の減少を実現することで通勤費や残業代などの人件費を削減でき、オフィスの規模を縮小できます。これで会社全体のコスト削減が可能です。

ワークスタイル変革の実現に効果的なツール

先にも示したようにワークスタイル変革を実現するためには、ICTを利用したシステムやツールが必須です。では、どのようなシステムやツールを用いるとよいのでしょうか。

ここからは、ワークスタイル変革に役立つツールにはどのようなものがあるのかをご紹介します。

チャットツール

チャットシステムを導入することでメールよりも柔軟で気軽なコミュニケーションが取れます。パソコンからもスマートフォンからも使えるものがほとんどなので、時間や場所が離れていてもコミュニケーション可能です。

ChatWork
日本製のビジネス用チャットサービスです、権限や案件ごとに使い分けることが可能です。国内では広く使われています。
https://go.chatwork.com/ja/

Slack
技術系で普及しているチャットツールです。SNSやDropbox、Trelloなどの多くの外部ツールと連携しています。
https://slack.com/intl/ja-jp/

Microsoft Teams
Office 365の機能のひとつで、Office 365の他のアプリと連携し、ファイル共有や共同編集ができます。
https://products.office.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software

Web会議システム

Webカメラやマイクを使って、離れた場所のメンバーと会議ができます。ビデオ通話機能はチャットツールにも搭載されていますが、会議用のツールはさらに高機能です。

Skype for Business
Skypeのビジネスプランである「Skype for Business」では、画面共有やホワイトボード機能など、Web会議に便利な機能を揃えています。
https://www.skype.com/ja/business/

Googleハングアウト
Googleアカウントで利用できます。Google Driveと連携しているだけでなく、Chromeリモートデスクトップとも連携していて、遠隔地からパソコンをリモート操作することが可能です。
https://hangouts.google.com/?hl=ja

Appear.In
Web会議専用のツールで、Webブラウザ上で使えます。ホスト以外はアカウント登録も不要で、招待されたらすぐに使用可能です。
https://appear.in/

進捗管理

プロジェクトの進捗状況を管理し、共有するツールです。タスク管理やスケジュール管理、ファイル共有など、いろいろな機能があります。

Trello
「かんばん方式」の進捗管理ツールです。プロジェクトを細分化して付箋のような形で管理します。SlackやGmailなどの外部ツールとも連携可能です。
https://trello.com/

jooto
かんばん方式ですが、進捗状況は付箋型やカレンダーだけでなく、ガントチャートにして見ることも可能です。ファイル共有、データエクスポート、チェックリストなど、ビジネスに使いやすい機能が揃っています。
https://www.jooto.com/

Backlog
チームでのプロジェクト進捗管理に便利です。プロジェクトごとにプロジェクトの内容・タスク・ファイルをまとめて管理でき、バージョン管理もできます。
https://backlog.com/ja/

ICT導入はワークスタイル変革の完成ではなく入り口にすぎない

ツールを導入しただけでワークスタイル変革が完成したと考える企業もありますが、実際にオフィスでの働き方が変わらなければ意味がありません。ツールを活用して選択できるワークスタイルの幅が広がったり、よりコミュニケーションや情報共有が進んだりしてこそワークスタイル変革が真に実現したと言えるでしょう。ツールを活用するためにも、社内の制度や企業文化を見直しワークスタイル変革を進めていきましょう。

 

参考: