チームビルディングで何が期待できるのか

チームビルディングで何が期待できるのか

業務効率化

サッカーなどチームで行うスポーツでは、優秀な選手が一人いるだけではそのチームは勝てません。逆に、とりたてて優秀な選手はいないのに、チームワークの良さで勝っていくチームもあります。一人ではできないことも、皆で力を合わせればできる。これがチームワークの強みですが、このチームワークの取れたチームを作り上げるために行われるのがチームビルディングです。

そこで、そもそもチームビルディングとは何か、なぜチームビルディングが必要なのか、またチームビルディングの目的やチームビルディングを成功させるためのポイントをご紹介します。

チームビルディングとは

チームビルディングとは簡単に言うと、メンバー間に良好な関係を維持することで、生産性をあげ、共通の目的達成につなげることと言えます。

そもそもチームというのはスポーツから派生する概念ですが、野球でもサッカーでもスポーツのチームでは、試合に勝つという共通の目標を達成するため、仲間を信頼することや、チーム内の自分の役割を認識して果たすことが各メンバーに対して求められます。そしてこれは、成功することを目標とする企業の場合も同じです。会社組織を、単なる人の集まりであるグループではなく、効果をあげる集まりであるチームにすること。これがチームビルディングです。

ではなぜ今、チームビルディングが必要なのでしょうか。

世の中は今、イノベーションにより新しいビジネスが次々と生まれては淘汰されていく変革期といえる時代です。また消費動向も不透明で変化や競争が激しくなっています。このような時代で企業が存続して成功していくためには、個々の能力に頼るだけではなく、チームとしての相乗効果が必要となります。また日本では終身雇用制がくずれて社員の入れ替わりが増え、それに伴って社員の年齢、性別や経歴も一定ではなく多様化するようになりました。従来のように年齢層も一定して考え方も同じメンバーの集まりではなく、多様化したメンバーからなるチームで成果をあげるには、まず機能するチームを作り上げることが必要なのです。

チームビルディングの目的

チームビルディングの目的は、以下にまとめることができます。

  • メンバー間の相互理解を改善する。メンバー同士が密にコミュニケーションを取れる関係を作ることで、報告や相談がしやすい職場の環境が生まれ、問題の早期発見や解決につながる。
  • 会社への帰属意識と、目標達成への意識を高める。
  • 管理職といった組織上のリーダーではなく、グループをまとめる役割を果たす特定のメンバーの、リーダシップ能力を高める。
  • メンバーのモチベーションを高めて、組織全体の生産性をあげる。
  • グループ作業で仕事を効率よく進めることで、コストをおさえる。
  • さまざまな考えや意見を交換することで、新しいアイデアが生まれやすい環境にする。

チームビルディングを成功させるポイント

ではチームビルディングを成功させるためには、どのようにしたらよいのでしょうか。チームビルディングを成功させるポイントとして、以下が挙げられます。

  • チームをうまくまとめて機能させるための、リーダーを決める。ここで言うリーダーは指揮命令する組織のリーダーではなく、自分から率先して物事を進め、チームの和を作るスポーツチームのキャプテンのような存在が適しているため、そういった人物を指定するか、チームメンバー間で決めてもらう。
  • チームの目標とその達成度を測る方法を、わかりやすく明快にメンバーに提示する。
  • メールやチャットなど書き物でコミュニケーションをとることが多い若い世代が、異なる世代とも対面でコミュニケーションをとりやすくする仕組みや環境を作る。
  • 会社組織上の指揮系統とは別に、メンバーで物事を決めて問題を解決するための社内の仕組みを作る。
  • 共通の競争相手がいるとチームがまとまりやすい。チームメンバー間の無用な競合を避けるため、競合他社などチームの外部に競争相手を設定する。
  • 個人の成果ではなく、チームの成果を報酬に反映させる仕組みを作る。

また、コミュニケーションや親睦を図るイベントを開催するだけでは無意味であることも、大切なポイントです。イベントの効果を仕事に反映させるためのフォローアップをしないと、イベントは時間の無駄と認識されて効果が出にくいことも認識する必要があります。

また、効果的なチームビルディングを実現するため、メンバー間のコミュニケーションの活発化や相互理解を高めるために社内外で行うイベントや研修などの活動を定期・不定期に請け負うサービスを企業に提供する会社もあるため、そういったサービスを利用するのもひとつの方法です。

チームビルディングで競争を勝ち抜く

日本では部課の飲み会や社員旅行、家族も参加した休日のイベントなどで、円滑なコミュニケーションを図ったり会社への帰属意識を高めたりする方法が従来からとられています。しかし、消費動向が不透明で競争も激化した時代において組織として勝ち抜いていくためには、それだけでは不十分です。多様化したメンバーをまとめるためのチームビルディングを行うことで個々の能力を引き出しやすくするとともに、チームワークによる成果をあげることで、目標を達成しましょう。

 

参考: