オープンソースのグループウェアツールを上手に活用するには

オープンソースのグループウェアツールを上手に活用するには

業務効率化

さまざまな機能で業務の効率化やコミュニケーションの活発化を図るグループウェアの導入のためには、まず種類を把握することが必要です。グループウェアには、無料版、有料版、クラウド型、オンプレミス型のほかに、オープンソース型のものもあります。そこで今回は、オープンソースのグループウェアに着目して、それがどのようなものでどんな利用方法が あるのかを、紹介します。

※グループウェアの全貌については「業務効率アップを実現するグループウェアとは?」をご覧ください。

オープンソースって何?

オープンソースとは、ソフト開発に使われるソースコードが公開されており、そのコードを自由に改変したり、改変して開発したアプリなどを配布や商用化したりできる、ソフト開発手法のことです。代表的なものとしてOSのオープンソースであるLinuxや、ブログ作成で使われるワードプレスなどが挙げられます。使われるプログラム言語としては、Web作成で使われるPHPが、コードの修正を簡単に行え、分かりやすいといえます。

オープンソースの一般的なメリットとしては、プログラムをカスタマイズできることが大きいでしょう。さらに、通常のソフトのようなライセンス費用が不要で、開発会社に依存しないで安定して長期的に使えるという点も挙げられます。また低価格での導入が可能です。

ただし、緊急事態が発生した場合には、サポートが受けられないため、プログラムのカスタマイズはもちろんのこと、修復やトラブル対応ができるITエンジニアを社内に確保する必要があります。さらにセキュリティ機能が更新されていく提供型のグループウェアではないので、セキュリティへの対応も常に意識しておく必要があります。

また、自社に最適なグループウェアにカスタマイズするには時間がかかります。使いながらより使いやすく改良を重ねることも必要です。言い換えれば、すぐに納得できる機能を使うことが難しいということになります。

なぜオープンソースなのか?

便利で気軽なグループウェアが増えているなかで、なぜオープンソースのグループウェアを検討する企業が少なくないのでしょうか。理由のひとつには、その機能を、自社の業務内容や業務の流れに合わせて自由にカスタマイズできるという大きなメリットがあります。通常使われる一般的な業務をパッケージにしたグループウェアを使うと、使用するグループウェアに合わせて、従来やってきた業務方法を変えなくてはならない可能性があります。その結果、使いづらい、慣れないといった理由でせっかく導入したグループウェアが十分に使われないという失敗例もあります。

しかしオープンソースを導入してカスタマイズすれば、グループウェアの機能を自社の業務やフローに合わせることができ、違和感なく導入できます。また自社独特の書類管理方法や勤務体系がある会社では、それに合わせたツールを構築することで、作業の効率性がより高まります。

では次にもう少し具体的に、オープンソースグループウェアの活用例をみてみましょう。

オープンソースグループウェアの活用例

労務管理、文書管理、コミュニケーション、スケジュール管理などのバックオフィス的な業務では、業種が違っても作業内容はほぼ同じであるため、パッケージのグループウェアソフトは比較的容易に導入できるといえます。

しかし、例えば製造業の製造現場では、少なくても50人前後、多ければ何百人もの従業員が広い工場で異なる作業を行い、日勤・夜勤など異なる勤務時間で行うケースもあり、管理は複雑です。また同じ場所で、多種多様な製品を製造する場合もあります。

パッケージのグループウェアの勤怠管理機能では、シフトごとや作業場所ごとの勤怠管理は可能ですが、一歩進んで、勤怠管理を工数管理にリンクさせたい場合、また製品ごとに工数管理をしたい場合はどうでしょうか。製造現場では、同じ企業でも工場により、また同じ工場でも部署により、製品や勤務体系が違うことも多いので、より細かな設定が必要となります。

例えば、オープンソースMosPの工場向けの勤怠管理では、勤怠管理情報を工数管理に利用し、勤怠管理と工数管理を組み合わせての可視化や分析、また作業員の作業プロセス間の移動状況の把握による生産性の向上など、パッケージのグループウェアのアプリでは困難なきめ細かなカスタマイズが可能です。

また大学などの教育機関や病院、地方自治体など、団体やグループによって、また活動によって、勤務形態や管理すべき情報や施設、共有すべき情報などが違う業界もあります。オープンソースのグループウェアのSHIRASAGIのポータル機能やスケジューラー機能、設備予約機能、在席管理機能、ワークフロー機能、メッセージ機能は、活動に合わせて細かな設定によってカスタマイズでき、多くの団体や機関で利用されています。

まとめ:グループウェアを使いこなすのに、オープンソースという選択肢もあり

企業や組織が通常使うさまざまな機能を備えたグループウェアですが、汎用的なグループウェアのパッケージ製品では物足りなかったり、より細かなカスタマイズが必要であったりと、企業や組織によってさまざまなケースがあります。また導入したグループウェアを使いこなすため、従来の業務フローをグループウェアに合わせて変えなければならないこともあります。そんな場合に、オープンソースのグループウェアを利用することで、自社独自の業務内容に合わせたグループウェアを構築するという選択肢もあることを知っておいて検討すると、より効率的な環境を作ることが可能になるのではないでしょうか。

まずやるべきことは、自社においてどういったグループウェアが必要かを洗い出すことです。現在のグループウェアと一般的な機能を比べ、それで対応ができるならオープンソースを導入する必要はありません。一般的な機能のどこが不便を感じるところなのか、どういったことができれば使いやすいかを現場視点で洗い出してみましょう。そして自社内でエンジニアが確保、対応ができるのであれば、ぜひオープンソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

参考: