業務の効率化に効果のあるスケジュール共有ツールを見つけよう

業務の効率化に効果のあるスケジュール共有ツールを見つけよう

業務効率化

2019年4月から施行された「働き方改革関連法」により、大企業の時間外労働における法定割引賃金が引き上げられました。2023年4月からは中小企業も対象になります。そのことにより、これまでどおりの就業スタイルでは単純にコストアップになる可能性があります。今一度、自社の業務環境を見直し、効率化を進める必要があります。そこで、シンプルでかつ業務の効率化に効果が期待できる方法を紹介します。それは「スケジュールの共有」です。当然、すでに実行されていることだとは思いますが、使いやすいスケジュール共有ツールにも注目してください。

スケジュール共有の重要性

企業は基本的にスケジュールの共有を実施しているため、見直しの対象になっていないのではないでしょうか。しかしその方法が「ホワイトボード」に1日の予定を書かせたり、Microsoft Excel(以下、Excel)で部下の行動管理をしたりするだけのものだと、効率化を図るためには使いにくい方法だといえるでしょう。ここで、あらためてスケジュール管理について考えてみましょう。

スケジュール管理がなぜ必要なのか

例えば、一人で仕事をしていたとしても、発注を受けて、仕事内容を把握し、納期に向けて作業を進め、遅延なく、求められた商品を求められた期日に納める必要があります。同じ期間内に幾つかの仕事を受注している場合は、どの仕事のどの作業がどこまで進んでいるかを把握する必要があります。もちろん、期日に間に合えばよいだけではなく、品質も確認する必要があります。つまり、常に作業の進捗や内容を管理しなければ仕事は成り立っていかないとも言えるでしょう。このように仕事のスケジュールを管理することは仕事の質を高め、効率的に作業を行うためには欠かせないものなのです。

これが、複数人のメンバーで行う仕事となると、なおさら、メンバーそれぞれのスケジュールを管理し、誰かに負担が大きくなっていないか、重複した作業を行っていないかなども管理する必要があります。

そこで注目されるのが、メンバー間でスケジュールを共有して、互いの状態や仕事全体の進捗、あるいは進んでいる作業の品質を把握することです。

スケジュールの共有化は現状を可視化すること

部署やプロジェクトメンバーで集まって、互いの活動状況や今後の予定などについて報告をする会議は多いものですが、それでは、主に事後報告が中心になり、次の行動が後手になってしまうことがあります。これらの原因は、互いのスケジュールが可視化できていないことにあります。そこでスケジュールの共有化が必要となりますが、その目的は次のようなものが代表的です。

  • リアルタイムでの業務遂行状況の確認
  • 同僚や上司のスケジュールに合わせた決裁や同行依頼の迅速化
  • メンバーの業務や配置の偏りの是正

スケジュール共有の具体的なメリット

スケジュールを可視化して共有することの効果やメリットについては、次のようなものが挙げられます。

  • 進捗状況の把握:メンバーの予定調整と確認作業の効率化によって、顧客への迅速な対応と業務の遅れや漏れの防止、サポートが必要なメンバーへの適切な支援につながります。
  • チーム力の発揮:営業担当者とサービス担当者が一緒に顧客訪問を行えるといった、チームで活動することによって、成果獲得の確率の向上がめざせます。
  • 売上や利益向上:重複作業や調整時間の削減によるコストの削減効果、決裁などの効率化による意思決定の迅速化、人員や労力配置の適切化による人材の有効活用、その結果による顧客との接触機会の拡大やコスト削減による利益向上の可能性が高まります。
  • ノウハウの蓄積と共有:優秀なメンバーの活動やスケジュールの組み方が共有されることによって、刺激となりモチベーションが高まったり、ノウハウの蓄積や習得の機会拡大が図れたりします。

スケジュール共有にはITツールを

これらのスケジュールの管理にITツールを使うと、共有しやすくなります。

ITツールによるスケジュール管理・共有化のメリット

Excelを共有フォルダに置いて、それぞれが予定を記入している企業も多いのではないでしょうか。しかしExcelの場合、誤って人のスケジュールに上書きしてしまったり、記入そのものを忘れてしまったりして情報の誤りや漏れが発生することがあります。そこでスケジュール共有機能のある専用のITツールを使うことで、より的確かつ効率的・効果的にスケジュールの管理と共有ができます。ツールを選ぶ際は、操作のしやすさや共有項目などが自社の仕事に合っているか、また情報の見やすさやモバイル対応しているかなどがポイントです。

スケジュール管理ツールの導入にあたり

最初の導入は全社一斉に使い始めるのではなく、IT部門や営業部に限定して使い始める、特定のプロジェクトで使い始めるなど、段階的に始めてみるのも方法のひとつです。クラウドならば、試用として利用料を支払えばすむので、自社に最適なツールであるかを判断する機会が得られるほか、導入予算が無駄になる心配が少なくてすみます。いくつかのスケジュール管理ツールを試してみて、自社に合っていることを確認してみるといいでしょう。

実際の導入では、営業部やサービス部、マーケティング部などの業務上の関係性を考え、スケジュールを共有することで効果が期待できる部署から順番に実施していきます。

Googleカレンダーによるスケジュール共有例

わかりやすい例として、Googleカレンダーの導入からスケジュール共有までの手順について見てみましょう。

わかりやすいカレンダースタイル

全員で一つの電子上のカレンダーを共有するかたちになります。参加者の各自はそれを参照したり、自分の予定を書き込んだりします。自分の行動を管理できるだけではなく、他の参加者の行動予定もわかるので、仕事を依頼したいときのタイミングも図りやすくなります。

  • 卓上カレンダーや手帳のように1日は1時間単位で記入できる
  • 共有者間でカレンダーが互いに参照できるので、電話やメールをしなくても都合のよい時間を事前にすり合わせることができる
  • スケジュール招待機能でミーティングや同行の申し込みを、相手が複数でも一度に行え、その返答もカレンダー上で確認できる
  • 共有や他の機能の設定はPCから行い、共有ユーザーの追加変更も可能。外出中のスケジュール確認はスマホやタブレット、PCからでも確認できるほか、記入や変更もできる
  • 共有者との共有の範囲や変更権限などの設定ができるので、情報開示範囲の限定や誤った改訂などを防ぐことができる

優れたその他機能

特にビジネス上で便利で優れた機能について紹介しておきましょう。

予定前の通知機能

Googleカレンダーに予定を登録すると、予定の時間前のアラートやメールによる通知を受け取る設定ができます。自身で重要なタスクを忘れないようにできるのみならず、会議に参加してもらいたいメンバーの全員に通知することもできます。事前のメールを一斉同報したり、内線電話で前もって確認したりする手間が省けるわけです。

Gmailとの連携

Gmailで受け取ったメールを、そのままGoogleカレンダー上に予定として登録できます。手帳の場合、転記しなければならず、その手間や転記ミスが生じます。また、スマホでスケジュール管理をしている場合は、PCで受けたメール本文をスマホに転送するといった、かなり面倒な手順になります。利用機器や環境を選ばないGmailとGoogleカレンダーならば、机上のパソコンでもスマホでも、同じ情報を同じように扱うことができます。

Googleマップとの連動

複数のメンバーで一つの場所に異なる事業所や部署から集まる場合、参集を依頼した人が地図のURLを貼ってメールで一斉同報するのはよく行われていると思います。このようなときもGoogleカレンダーならGoogleスケジュールにアップするだけで、参加者に場所と時間を一斉に伝えることができます。

業務効率化、働き方改革はスケジュールの共有化から

ビジネスにおいて時間はとても重要な要素です。お客様とのアポイントや協働者との打ち合わせ時間の設定、外出の多い上司への申請書類提出のタイミング調整など、考えてみると相手とのスケジュール調整に関わる行動は、意外と多いものです。それを効率的かつ確実にできるのが、Googleカレンダーをはじめとするスケジュール管理・共有ツールです。こうしたツールを使うことで、メンバー一人ひとりの調整活動の省力化につながり、省力化した分をコア業務への充当を実現することになります。まずは自社において、どのような状況であるかを把握し、全員が使いやすいツールを選ぶことからはじめましょう。

 

参考: