引継ぎ情報管理

サンプルタスク文書名

3-2-9 引き継ぎ書_売上実績集計業務

 

背景 

企業規模が大きくなるにつれ、社員の成長や組織の活性化を意図して、社内異動による担当業務替えは頻繁に行なわれます。担当業務が変わるとき、今まで担当していた業務の引継ぎを後任者に対して行いますが、引継ぎのやり方や引き継ぎ書のフォーマットが決まっていないケースも散見されます。また、引継ぎは本来上司が同席の元、きちんと引継ぎが行われているか確認したり、引き継ぎの中で業務に関するアドバイスを行なったりすることが必要です。それに加えて引き継ぐべきことや、業務で使用するデータや帳票類もきちんとまとまって引き継がれることが重要です。それらがきちんと行われていないと業務に影響がでて、場合によっては関係区やお客様にご迷惑をかけてしまうこともあります。

 

ご提案内容 

業務引継ぎのやり方を標準化して、最低限の情報伝達は確実に行われるような仕組みを作りたいとお考えの方には、サンプルタスク文書 「引き継ぎ書_売上実績集計業務」が参考になるかもしれません。 このタスク文書は引継ぎ業務名、内容、その業務で過去に作成した文書、仕掛かり文書、使用する書式などをワンセットで引き継げるツールです。

 

サンプルタスク文書「3-2-9 引き継ぎ書_売上実績集計業務」のイメージ

•タイトル:引継ぐ業務名をタイトルに記載します。
•状態:このタスク文書が業務引き継ぎ中のタスク文書であることを「実施中」で表しています。
•タグ:担当者が自分が担当する業務を業務の頻度ごとに検索できる様に「担当者名」「業務頻度」をタグとして設定します。
•本文:引き継ぐ人と引き継がれる人、業務責任者及び引継ぎ業務内容、使用するデータ、帳票類など添付します。
 
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3-2-9 引き継ぎ書_売上実績集計業務 の構成

項目

内容

使う人

業務の引き継ぎの仕方が実務担当者任せになっている会社の人事担当などが作成して社員に利用させます。

利用範囲

会社の全社員。引き継がれる業務の担当者とマネージャー。

おしごとルームの作成単位

部門単位で引継ぎ用のおしごとルームを作ります。

タスク文書の作成単位

引き継ぐ業務単位でタスク文書を作ります。一人の人が担っていた複数の業務を別々の人に引き継ぐ場合がありますので担当者単位では作らない方が良いでしょう。

タグの使い方

業務担当者の名前や業務頻度「月次」「年次」「随時」などを設定しておきます。
 

特長1 引継ぎはマネージャーの責任を明確に

使用する機能:折りたたみブロック、表作成

このタスク文書の冒頭には、「前任者」「後任者」引継ぎを確認する「上司」が記入できるるようになっています。引継ぎは、上司が同席せずに担当者どうしで行われることもありますが、引継ぎの責任の所在が不明確になるため、上司同席のもとに行い、名前を記録するようにします。

【画面①】

 

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【画面①】

 

特長2 引継ぎ内容と利用する書類、フォーマットなどをセットで保存

使用する機能:表作成 

引継ぎ内容のフォーマットは、とてもシンプルに作ってあります。項目は「業務名」「業務の説明」「関係区・関係者」「資料・ファイル」の4つです。

記入欄の大きさは、必要に応じてその都度変えることができます。「資料・ファイル」欄には、引継ぎに使用したファイルや実際の業務で使用するフォーマットなどを添付することができます。

【画面②】

 

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【画面②】

 

特長3 自分が担当する業務は一発検索

使用する機能:タグ、詳細検索

おしごとルームは部門単位で作成して、複数の担当者やマネージャーが共有することが管理上望ましいですが、そうすると個々の担当者が使いづらいという欠点が生まれます。

その欠点を補うためにタグを設定します。担当者名をタグに設定しておけば、担当者は自分の名前のタグを左のツリーから選択することで自分が担当する業務のタスク文書だけを表示することができます。

 

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【画面③】

 

特長4 引き継ぎ書が業務マニュアルに

すべての業務の引継ぎが一巡すると、引き継ぎ書を業務マニュアルとして利用することができます。業務担当者だけでなく新任のマネージャーが部下の担当する業務を掌に載せることもできるようになります。また、電子的に管理されたマニュアルとなるので、業務変更の際の内容の修正も容易に行えます。

 

運用

1.まずはじめに、部門全体の運営に当たる担当者が、引継ぎ用のおしごとルームを共有ルームとして登録します。登録したおしごとルームの中にあらかじめメンバーの名前をタグとして設定しておきます。
2.次に登録した引継ぎ用のおしごとルームの中にサンプルタスク文書を参考にして引継ぎ書用のタスク文書のフォーマットを作成します。フォーマットが決まったら部門内に展開します。
3.人事異動の季節になって担当者の異動が発生したら、マネージャーが業務ごとに後任者を決めた上で、引き継ぎ書のフォーマットからタスク文書をコピーして前任者へ提示し、引継ぎ書の作成を指示します。この際に部門内に新しいメンバーが加わるようであれば、その人の名前をおしごとルームにタグとして登録します。
4.前任者は、担当する業務ごとに提示されたタスク文書をコピーして引継ぎ事項を記述し、業務で利用する書類やファイルを添付します。
5.引き継ぎ書が出来上がったら引継ぎ書を投影するなどして上司同席のもと引継ぎを実施します。

 

効用

1.引継ぎ書のフォーマットを統一することをきっかけにして、引き継ぎ事項のドキュメント化、上司同席の元での引継ぎなど、引継ぎ品質の平準化が図れます。
2.引き継ぎ書と業務で実際に使うドキュメント(電子ファイル)が一元的に引き継がれますので後任者へスムーズに仕事が引き継げます。
3.引き継ぎ書(タスク文書)は業務の変更とともに修正を加えながら、継続して利用できますので、引継ぎ時の一時的な資料としてだけでなく、業務マニュアルとして会社の財産となります。