業務を“見える化”するメリットと、実践するためのポイント

業務を“見える化”するメリットと、実践するためのポイント

業務効率化

業務の“見える化”とは、いったい何なのでしょうか? また、業務を“見える化”することで、いったいどんなメリットがあるのでしょうか? “見える化”が企業の日常業務にもたらす効果と、実践するために押さえておくべきポイントをご紹介します。

業務の“見える化”とは、いったい何?

業務を“見える化”するにあたり、まずは“見える化”ということばが意味するところを明らかにしておきましょう。

“プロセス”を明確にする場合と、“現在の状況”を明確にする場合がある

業務の“見える化”とは、今まで「先輩から教えられた」といったような方法で伝えられ、明確に文書化されてはいない業務を、だれが見てもわかるように文字や表などに表すことを言います。そして、さらに業務の“見える化”を図る場合、“業務のやり方(プロセス)”を明確にする場合と、“業務の現在の状況”(仕事の進ちょく状況や営業の売り上げ状況など)を明確にする場合の2通りがあります。ひと言で“見える化”と言ってもどこをどのように明らかにするのかを把握しておかないと、うまくいきません。

“見える化”を実践するための方法

“見える化”を実践するための方法としては、まずは業務の内容を映像・文書・数値・図表などを使い、客観化・指標化・データ化します。それらを用いて業務のプロセスを示す「業務手順書」や、業務の現状を記録する「業務記述書」を作成します。

企業によっては、さらにそれを発展させて職場のメンバーの能力を“見える化”できる「スキルマップ」を作成するなど、業務改善のために積極的に活用するケースもあります。

業務を“見える化”すると、どんなメリットがあるのか?

“見える化”をしても効果がでないことには、会社全体あるいは業務担当内で作業時間をかけて取り組む意味がありません。業務を“見える化”するとどんなメリットがあるのか、具体的に見てみましょう。

業務の手順が統一化され、仕事の全体像が見えるようになる。

業務を“見える化”することで、今まで個人間で口伝えのように引き継いできた業務の手順が統一されます。それによって、どの段階でこのプロジェクトに自分が関わっているのかなど、仕事の全体像が見えるようになります。言い換えれば、それまで自分の仕事が全体の業務とどう関わっているのかがわからなかった人でも、「自分の仕事は、この業務のこの部分に位置していた」と把握することができるようになり、仕事の意義や効率を考えやすくなります。さらにグループワーク内の連携が取りやすくなります。

今まで特定の人しかできなかった業務が、他の人でもできるようになる。

業務の内容や手順が“見える化”されるまでは、その手順を熟知している特定の人しか業務ができず、その人がいなくなると引き継ぎに困るという状況に陥ることが少なくありません。この問題は、業務の“見える化”を実践することで解消されると考えられます。つまりプロジェクトに参加している人は業務の流れや、だれが何を担当しているのかを把握できるわけですから、たとえばある部分の担当者が不在であっても、業務マニュアルを確認することで、他の人がその業務を代行することが可能になるのです。

仕事のミスを減らすことができる。

業務を“見える化”することで、その業務の担当者が何をすべきかが明確になるので、仕事のミスを減らすことができるようになります。業務の流れを担当者以外の人も共有できている環境が構築されれば、たとえ担当者にミスがあっても、他の人がいち早くミスに気付くことができます。

業務の“見える化”を実践するためのポイント

業務の“見える化”を図るにはどういった事から始めれば良いのかを見ていきましょう。

実際に業務を担当している人から、しっかりと内容をヒアリングする

業務の“見える化”を実践するためには、まず実際に担当している人から内容をしっかりとヒアリングし、抜けやモレのないように業務全体の流れを書き出す必要があります。ヒアリングして書き出した内容をわかりやすい図表やチャートなどにまとめましょう。

だれにでもわかりやすく更新しやすい「業務手順書」「業務記述書」を作成する

業務の内容が明らかになったら、今度はだれにでもわかりやすく、更新しやすい「業務手順書」や「業務記述書」を作成する必要があります。作成する人だけがわかっていても、他の人が活用できないようなツールでは、何の意味もありません。メンバーの構成をよく考えて、だれもが利用でき、更新も容易にできる方法を考えることが大切です。

業務の“見える化”のためのツールを利用する(Toggl、BPECなど)

業務の“見える化”を行うためには、「Toggl」や「BPEC」といったツールを活用すると便利です。「Toggl」は作業時間を管理するのに最適なツールで、「BPEC」は業務を分析してフローを作成し、業務改善に役立てられるツールです。他にも“見える化”に役立つツールはさまざまあり、用途に応じて賢く活用することで、より迅速に“見える化”を実現することができます。

複数あるツールを選ぶときは、まず業務内容を把握し、どのように“見える化”を図りたいのかを考えておくようにしましょう。

業務を“見える化”することは、不要なコストの削減にもつながる

業務を“見える化”することで、仕事の偏りを改善することができ、不要な業務を省くことも可能になります。こうした作業の無駄を見直すことはコスト削減につながります。現場のスタッフや業務内容に合った方法で、無理なく少しずつ見える化を進めていくことは、会社の発展にも役立つ改善だと言えます。

 

参考: