賢い日報管理が、目標達成の秘けつになる!

賢い日報管理が、目標達成の秘けつになる!

業務効率化

営業などで一般的な「日報を書く」というタスク。「1日の業務を終えて疲れていて、書くのが面倒」「思い出すのに時間がかかる」「書くことがない」など、考えるだけでおっくうに感じる人も多いかもしれません。しかし日報は、目的を理解して上手に管理できれば、社員にとっても心強い味方になるのです。日報の意味と書くべき内容、そして賢い日報管理の方法を解説します。

日報を書く意味とは

日報は「上司が部下の行動を監視・管理するため」のものだと思っていないでしょうか。確かにそのように機能している組織も少なくないでしょう。しかし、日報は活用の仕方によっては「社員自身が成長するため」の効果的なツールになるのです。

まず日報を書く目的は、その日の業務を振り返ることで、課題点・改善点を見つけ、明日以降の行動に生かすことにあります。日々業務に追われるままに時間を過ごすだけでは、経験から学ぶ暇もなく同じようなミスを繰り返すかもしれません。1日1回自分の行動と向き合うことで、反省すべき点、良かった点を発見しましょう。

また、忙しいと目の前の案件の対応で精一杯になりがちですが、自己の成長のためには、中・長期的な目標を持って意識し続けることが欠かせません。日報を書くことで毎日の目標達成度合いを確認します。これによりモチベーションも保つことができます。

そして上司やチームと情報を共有することも、日報の重要な目的のひとつです。業務を「見える化」することにより、自分では気づけなかった対応方法を上司に指摘してもらい、トラブルを未然に防ぐことができる場合もあるでしょう。また同僚が役立つ情報をくれることもあるでしょう。このように日報を通して上司や同僚と業務の進行状況などの情報を共有することで、コミュニケーションが円滑になり、チームワークの向上につながることも期待できます。

さらに、日報は後々行動記録としても役立ちます。時間が経ってから似たような案件が発生し「はて、あのときはどうやって解決したのだったか、何が課題だったか」など、以前の業務詳細を思い出したくなったことはないでしょうか。そのようなとき、詳細な記録を確認できると、以前の対応や失敗を活かし、業務の効率アップに役立てることができるでしょう。

日報に何を書けば良いか

日報を書く意味を理解できたら、「何を書けば良いのか」はおのずと見えてくるかもしれません。上司や同僚と共有するものなので、だれが見てもわかりやすく、箇条書きなどで簡潔に書くことを心がけましょう。大きく分けると、書くべきことは「したこと」と「思ったこと」です。それをもう少し必要な項目に分け、以下のような項目で考えると良いでしょう。

  1. その日に行った業務
  2. 業務の進捗状況
  3. 他者の反応・反響
  4. 気づいたこと(反省・課題点)
  5. 今後の対策

上記の項目にそれぞれどのような内容を明記しておけば良いのか、確認していきましょう。

1. その日に行った業務

実際に行動したことをリストアップし、それぞれにかかった時間も分かるように記載しましょう。また、できればその業務の目的も書くと良いでしょう。

2. 業務の進捗状況

上記の行動によって、どのくらいの量の業務を進めたか、プロジェクトがどこまで進んだかを記載します。さらに、設定している目標があればどこまで達成できているかを書きましょう。

3. 他者の反応・反響

人に向けての業務であれば、相手の反応を書きましょう。例えば営業ならば、その行動によって顧客がどんな反応を示したかを書きます。相手がどう反応したかを書くためには、相手の反応を意識し、しっかりと観察しなければなりません。顧客の反応に対する観察力のアップにもつながるでしょう。
そのほか社内プレゼンテーションを行ったのであれば参加者の反応を、広報ならばメディアやSNSで発信したことに対する反響などを記しておきましょう。

4. 気づいたこと(反省・課題点)

ここからは、自分が「感じた・考えたこと」を書きます。だらだらと長い自己分析や反省文を書かないように気をつけましょう。3で得た情報から自分なりに顧客の本音を推測したり、ユーザーの反響などを分析したりして気づいたこと・考えたことなどを簡潔に書きます。そのうえで自分の反省点・課題点がないかを振り返り、書きます。1人で行った業務であれば、効率良く行えたか、目的を達成できたかなどをチェックしましょう。反省点は次への学びへ、良かった点にもおおいに注目し、あくまで前向きな姿勢で書くことも大切なポイントです。

5. 今後の対策

4を踏まえて、次への対策を考えます。できるだけ具体的に書くと良いでしょう。また、最後に指導者への質問やメッセージを加えても良いかもしれません。

いずれにせよ、「自分のため」「チームのため」「会社のため」であることを意識し、それぞれの成長につなげるようにしたいものです。

日報の賢い管理方法とは

前述のとおり、日報を書くことの意味やその効果を念頭に置いてとりかかると、気持ちも少し軽くなるのではないでしょうか。とはいえ、逆に力を入れすぎて、日報を書くのにあまりにも長時間かけたり、書くことだけで満足してしまっては本末転倒です。そこで、日報の効果も期待しながら、効率的に日報を書く方法をご紹介します。

テンプレートを作る

自分用にカスタマイズしたテンプレートを作ります。
前述の5つのリストを項目としてそのまま使用しても良いですし、営業なら「顧客の反応」という項目を作る、広報なら「SNSの反響」「今日の問い合わせ」といった項目を設けるなど自分の業務進行状況が一目でわかる項目を作ります。そうすれば、毎日その項目を埋めていくだけで済み、「何を書けばよいのか」と迷う必要がなくなるでしょう。

また、次の日の日報のベースになる、明日の行動計画の項目を作っておくのもオススメです。
項目は日報をこなしながら、自分に便利なものに差し替えていきつつ、ベストなテンプレートを作りましょう。

明日のTo Doリスト作成と一体化させる

前日に作成した明日の行動計画のリストをベースに作っていくと、効率的に日報を書くことができるでしょう。

前日に作成した明日の行動計画リストに、今日になって突発的に入った業務や、進捗状況、感じたことなどを足していきます。それだけで、日報の「その日やったこと」の部分はほぼ完成しています。そして今後の対策として書く項目には、明日の行動計画のリストを書いておきます。それが明日の日報のベースになるのです。

ITツールを活用する

最近では、オフィス向けのITツールも進化しているため、積極的に活用したいものです。
メールの件名に日付を入れて日報を作成しても良いですし、カレンダーと連携させたり、スマートフォンで外から利用できるようにしたりすれば、すき間時間に日報を書いていくこともできます。

グループウェアやSFA(営業支援ツール)に代表されるシステムを導入すれば、目的に合わせて見やすく効率的に情報を共有できます。写真やコメント機能を活用したり、資料や関連URLを添付したりすることでより詳しい日報の作成が可能になります。システムの導入コストはかかりますが、効率化で業績が上がることが見込めるなら、会社へ提案してみるのも良いかもしれません。

課題と成果を明確にするためにも使いやすい日報の検討が大切

日報は、賢く活用できれば自己の能力向上のみならず、会社の業績向上にも役立つことも期待できます。まずは自社の業務内容を客観的に把握し、使いやすい日報を検討しましょう。さまざまなツールなどを活用して、賢く管理して、効率的に使いこなしたいものです。

 

参考: