コミュニケーションの活性化につなげるには?社内掲示板の有効な使い方

コミュニケーションの活性化につなげるには?社内掲示板の有効な使い方

業務効率化

社内のコミュニケーションを活性化させることは、業務を潤滑に進めて成果につなげるための重要な課題。電子メールやSNSなど社会のコミュニケーションツールも多様化していく時代ですが、社内のコミュケーションツールとして挙げられるものに「社内掲示板」があります。掲示板にもアナログ・デジタルいろいろな形式がありますが、今回はデジタル式の掲示板の有効な使い方を考えてみましょう。

デジタル式の掲示板の特徴

デジタル式の掲示板には大型の画面ディスプレイ設備を配置するデジタルサイネージや、社内閲覧のみのウェブサイトで情報を共有するイントラネット・社内ポータルなどがあります。

紙の掲示板と違い、デジタル式掲示板の特徴はまずペーパーレスで運用できること。つまり紙の無駄遣いを防ぐことができます。さらに、変更があっても簡単に修正が可能で管理も容易です。頻繁に情報を更新できるので多くの情報を発信できるうえ、複数の拠点があっても一度に情報を配信できます。

しかし、常に目に触れさせたい情報なら紙を貼るほうが手軽であることや、デジタル式掲示板を使用する際にはある程度の導入コストや月額使用料金がかかるので、目的が明確でないと必ずしもメリットが実感できるとは限りません。

社内掲示板を有効活用するためには

せっかく社内掲示板を導入しても、社員に見られないのでは意味がありません。スムーズに導入して、社内掲示板を有効活用するためのポイントを紹介します。

目的を明確にする

最も重要なことは、社内掲示板を利用する目的を明確にすることです。
掲示板の役目は人に情報を伝えることですが、「誰に」「何を」「何のために」伝えたいのかを明確にしておく必要があります。現代において社内コミュニケーションの方法は、会って話す、内線で話す、メモや回覧で伝える、社内アナウンスで伝える、メールで伝える、グループウェアや社内SNSなどの社内ツールを活用するなど、さまざまです。利用の目的が「社内の情報共有のため」など曖昧なものだと、何を掲示(投稿)したらよいかわからず、掲示しても結局誰もあまり見ないという状態になる可能性もあります。
自社では社内コミュニケーションに関し、どのような課題を抱えているのか、解決してくれるコミュニケーションツールは何かを考えてみることが先決です。何のための情報をどのように掲示したいのかが明確になると、どのような形の社内掲示板を利用するのが目的に合っているのかがおのずと見えてきます。

目的が明確になれば、掲示板の利用でコミュニケーションを活性化させる近道となります

読む側の立場に立つ

コミュニケーションの基本とも言えますが、情報を発信する側は、ともすると「自己満足」に陥ってしまいがちです。常に読む側の立場に立って情報を発信するためには、社内アンケートを行うなどして、どのような内容をどのように発信すれば、取りこぼしなく読まれるかをチェックしたいものです。掲示により社内にどんな変化が起きたかなど、成果も確認できるとよいでしょう。
また、内容の提示の仕方についても調査しておくとよいでしょう。たとえば、堅苦しい表現が多用されていると読まれなくなる可能性もあります。ダラダラとした長文でも内容把握に時間がかかり、結局、伝わっていないという可能性も高くなります。「皆が気軽に読める」「つい読みたくなる」内容を目指すためにも、読み手の意識を知ることは大切です。

まめに更新する

掲示板に古い情報がいつまでも載っているのでは新鮮味が欠けて、そのうち掲示板を確認する意識は薄れてしまいます。また、過去に掲載した情報がアップデートされず、掲載した内容が古くなったり間違ったものになったりしてしまった場合は、業務に影響が出る恐れがあります。掲示板を活用するなら、徹底的に活用することを前提にすることが肝心です。少なくとも、情報更新はまめに行いましょう。

デジタルの掲示板の利点は「気軽に情報共有できる」ことでもあります。導入前に、その利点を活かした運用を考えておくことが必要です。

真似したい社内掲示板の活用例

ではここで、社内掲示板を上手に活用している会社の事例を紹介しましょう。

「社内手続きMAP」で問い合わせ削減!池田模範堂の社内掲示板

かゆみ止め薬の「ムヒ」などで知られる医薬品会社・株式会社池田模範堂は、庶務に関する総務部への問い合わせの電話が1日30本を超えるという状況で業務に支障をきたしていました。そこで、すべての部署の社員が活用できて、ITが苦手な社員でも使いやすい社内ポータルを導入。その中の「社内手続きMAP」には、出張申請や結婚した場合の社内手続きの方法などを視覚的に解説したPDFが載っており、簡単に見ることができます。さらに申請画面へのリンクを貼って、そのまま手続きを進められるようにもしました。このため、社員も「何かあったら社内ポータルを見る」という習慣がつき、問い合わせの数の削減につながりました。
(出典:株式会社池田模範堂 導入事例|サイボウズ

世界20数カ国で情報共有!国際石油開帝石の社内掲示板

国際石油開発帝石株式会社は、石油や天然ガス等の調査、探鉱、開発、生産、販売などを手掛けています。世界20数カ国で事業を展開するグローバル企業ですが「グローバルに働く社員間でアクセスできる情報共有基盤が整備されていない」ことが課題でした。「経営ビジョンやトップメッセージを世界各地域の組織や社員にタイムリーに情報発信したい」「事業所間・国内・海外の垣根を越えたコミュニケーションを活性化させたい」という要望のもと、「全社員の一体感の醸成」という目的を打ち出し、全社員がアクセスできる社内グローバルポータルを新設しました。20数カ国で使用するため、言語環境を整えるという課題とともに、各国の異なる文化に合わせた内容の検討も課題でした。そこでアンケートを実施し、寄せられた声に対応して世界の各拠点で展開するプロジェクトの状況を共有したり、経営企画・人事などの部署から世界の全社員に向けて情報発信したりする場所を設けました。日々更新続ける会社の情報を、世界中の全社員に向けてリアルタイムで発信できるようになったのです。
(出典:国内導入事例 国際石油開発帝石株式会社|AvePoint(PDF)

WEBとサイネージのミックス型!JXTGグループの社内掲示板

エネルギー、石油・天然ガス開発、金属事業を手がけるJXTGグループは、売上高が10兆円規模という国内有数の企業グループです。3万5000人以上の従業員を抱える同社では、WEBとデジタルサイネージをミックスさせることで、社内への情報周知を確実にしています。社内イントラネット掲示板の情報を、オフィス内に設置した大型液晶ディスプレイのデジタルサイネージにも表示。主に広報や総務部門からの情報を全社員に向けて発信しています。また、来訪者が通るエントランスにもディスプレイ画面を設置し、社外向けブランド情報、天気やニュースなどの情報発信に役立てています。
(出典:事例 JXグループ|PDC

まずは何を必要としているか考えることが重要

社内掲示板は、使い方次第で成果の上がるコミュニケーションツールとなり得ます。有効活用するためには、まず「自社が何を必要としているか」を見極めることが第一歩となるでしょう。

参考: