テレワークの導入!問題点とマネジメントのポイントを紹介

テレワークの導入!問題点とマネジメントのポイントを紹介

働き方改革

働き方改革の一環として、テレワークを導入する企業や導入を検討する企業が増えつつあります。しかし一方で、出勤しないことの気おくれから利用しづらく感じる社員や、目の前で部下をマネジメントできないことに不安を感じる管理職がいて、なかなか導入に踏み切れない企業も多いようです。そこで、テレワーク導入にあたっての問題点を分析し、マネジメントのポイントやテレワーク導入に便利なツールをご紹介します。

テレワークのメリットと問題点

テレワークとは、ITを利用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことで、自宅で働く在宅勤務、社外や移動中にモバイルを使うモバイルワーク、スポットオフィスやレンタルオフィスなどを利用するサテライトオフィス勤務に分けられます。

テレワークは、少子高齢化に伴う労働人口減少の対策の一環として、出産や育児、あるいは介護のため毎日の出勤が難しい人や高齢者、障害者などへの就業機会の増加を目的に総務省も推進している働き方で、以下のようなメリットがあります。

  • ワーク・ライフ・バランスの実現
  • 地方活性化に貢献
  • 紙やスペース、電気などのオフィス運営コストや、通勤・移動コストの削減
  • 柔軟な働き方を提供することで、優秀な人材の定着促進

またこれ以外にも、客先回りの営業職が社内の打ち合わせにテレワークを利用することで、いちいち会社に戻る時間が節約できて業務の効率化につながるというメリットもあります。

一方、テレワークの問題点としては、利用者側の従業員の意識と、テレワークをする従業員を管理する企業や管理職側の意識について、以下のような点が挙げられます。

  • 従業員側の問題:従業員間の不平等感からくる「テレワークを利用するとサボっていると思われるのでは」という気おくれにより、肩身が狭く、なかなか利用にふみきれない。
  • 会社、管理職側の問題:人事評価が正当にできないという懸念や、部下を直接見ながらマネジメントできないという不安につながる。
  • テレワークのマネジメントがうまくできないと、チーム内のコミュニケーションと情報量が減るという問題も発生しがち。

テレワーク禁止に踏み切って話題になった米国のヤフーでは、テレワーク勤務者のマネジメントが正しくできておらず、テレワークの勤務時間中に副業していた社員が発覚するという問題も発生しています。

テレワークをマネジメントするポイント

テレワークを導入して普及させるためには、従業員側と会社、管理職側の意識改革が必要です。このためにはまず管理職からテレワークの利用を始め、実際に体験することでテレワークを利用している部下を管理しづらいという不安を解消することが重要です。

実際に導入してうまくマネジメントするためのポイントとしては、以下が挙げられます。

  • 完全在宅型ではなく、週1日からの導入とする。集中して働く必要がある業務をテレワークで行い、会社への出勤日は社員間のコミュニケーションが必要な業務にあてるなどして、効率化を図る。
  • テレワーク専用の社内規定を設定する。
  • 人事評価は、勤務時間ではなく実績と目標達成で測るという認識を浸透させ、KPIを明確に設定する。労働時間を評価の基準としない。
  • 無駄な業務プロセスを改善して、テレワーク導入で逆に業務が非効率にならないようにする。

テレワークのマネジメントに役立つツール

テレワークのマネジメントにあたっては、さまざまなITツールの利用が効果的です。そこで、テレワークに役立つツールを、いくつかご紹介します。

プロジェクト管理・工数管理ツール

テレワークする社員の作業状況を可視化してリアルタイムに把握するのに便利なツールとして、プロジェクト管理ツールがあります。プロジェクトの進捗管理向けに、ガンチャート機能やコスト管理機能がついているものもありますが、テレワークのマネジメントとしてはシンプルにタスク管理機能を利用するのが良いでしょう。テレワークをしている社員に与えられた仕事が、どこまで進んでいるかを把握するのに使えます。
代表的なサービスとして、以下のようなものがあります。

Trello

タスクカードをボードに貼って情報を管理する形式のツールです。進捗状況に合わせてカードの順番を変えたりリストを加えたりします。付箋を貼ったりはがしたりする感覚で使え、視覚的にタスクのバランスや進捗状況全体を把握できます。担当者のアサインやタスクの締め切りも設定できて、カードにひも付いた詳細やコメント、質問などを追加できます。わかりやすくさまざまな分野に利用できるため、初心者にもおすすめです。
https://trello.com/

Jooto

Trelloと同じく、ボードとタスクカードを使って情報管理を行うツールです。Trello同様、視覚的でわかりやすいため、初心者におすすめです。無料で利用できますが、有料の機能には生産管理や工程管理で便利なガントチャート機能を搭載しています。
https://www.jooto.com/

Backlog

主に開発やマーケティング、人事・総務などで使われているプロジェクト管理ツールです。登録メンバーに対しプロジェクトごとにひとつのプラットフォームを作ります。ガントチャートの表示で、作業工程や進捗状況が一目でわかります。また、メッセージのやりとりで、作業の割り振りなど指示も出せるため、業務が滞っていればすぐに対応ができます。料金プランは2000円/月から利用できます(30日間の無料お試し期間あり)。
https://backlog.com/ja/

Web会議システム。

支店間や拠点間での会議でよく使用されるテレビ会議と違って、Web会議システムでは専用の設備や設定は不要で、インターネットがあればどのモバイルからでも接続できるシステムです。また常時接続しておくことも可能なため、リアルタイムで相手の状況や都合が把握でき、テレワークの社員とオフィス間の効率的なコミュニケーションにもつながります。
代表的なサービスとして、以下のようなものがあります。

Skype

無料でWEBの通話やチャットができるサービスです。パソコンだけでなく、スマートフォン・タブレットにも対応しています。
https://www.skype.com/ja/

Googleハングアウト

こちらも、無料でWEBの通話やチャットができるサービスです。グループハングアウト(チャット)は150人まで、ビデオハングアウト(ビデオ電話機能)は10人まで同時に参加できます。
https://hangouts.google.com/

Appear.in

アカウントの作成やインストール不要で利用できます(参加人数等に制限あり)。Google Chromeの拡張機能を利用して、画面共有をすることも可能です。
https://appear.in/

チャットツール

多くのWeb会議システムに搭載されているカメラ機能までは不要な場合は、チャットツールの利用がおすすめです。オフィス内にいないテレワーカーとのコミュニケーションでは、ちょっとした問い合わせや用事でもメールを使ってしまいがちで、大量のメールの整理で仕事が非効率になります。チャットツールでは気軽に複数の相手ともコミュニケーションがとれ、履歴も簡単にとれるのでメールのような整理は不要です。ビデオ会議や通話機能がついたものもあります。
代表的なサービスとして、以下のようなものがあります。

チャットワーク

チャットやタスク管理ができるツールです。スマートフォンのアプリを利用すると、自分宛のメッセージがプッシュ通知で届きます。
https://go.chatwork.com/ja/

Slack

チャットやビデオ通話ができるツールです。大企業向けのエンタープライズ版もあります。
https://slack.com/intl/ja-jp

Teams

Microsoftが提供するチャットツールです。電話やWEB会議の機能がついています。また、さまざまな外部サービスと連携することが可能です。
https://products.office.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software

導入するための意識、環境を確認することが成功への近道

テレワークの導入にあたって会社側が気になるのは、従業員の勤怠管理や人事評価、また社内のコミュニケーション不足につながりかねないといったことです。しかしテレワークの導入は、会社のコスト削減や優秀な人材の確保などのメリットもあります。テレワークのマネジメントに有効に使えるツールを活用して、業績向上にもつなげましょう。