クラウドサービスのメリットとは?仕事への活かしかた

クラウドサービスのメリットとは?仕事への活かしかた

クラウド活用

総務省の「平成29年版 情報通信白書」によると、2016年にクラウドサービスを利用している企業の割合は46.9%と、前年の44.6%から2.3ポイント上昇しています。一般的になりつつあるクラウドサービスについて、仕事でクラウドサービスを使うときのメリットや活かし方をご紹介します。

仕事でクラウドサービスを使うメリット

クラウドサービスを仕事で使うメリットは、企業と従業員の両方にあると言えます。それぞれについて見ていきましょう。

企業のメリット

総務省の調査「平成29年版 情報通信白書」によると、企業がクラウドを導入する理由として、「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」が最も多く、次いで「どこでもサービスを利用できるから」「安定運用、可用性が高くなるから」「情報漏えい等に対するセキュリティが高くなるから」などが挙げられています。

つまり、クラウドサービスを導入することにより、企業にとっては以下のようなメリットを期待できるということです。

  • サーバやソフトウエアを購入しなくて済む
  • どこでもサービスを利用できる
  • セキュリティへの安心度が高くなる
  • メンテナンスが不要

インターネット上に設けられた外部のサーバを使用するクラウドサービスでは、自社でサーバやソフトウエアを購入する必要がないため、導入の初期コストを抑えられます。また、サーバをもたないことで保守管理やメンテナンスが不要になるため、ここでもコストを削減することができます。さらに、インターネットができる環境であれば、社外のどこでも使用が可能という点も大きく、作業の効率化や在宅ワークを利用した優秀な人材の確保にもつながります。セキュリティ面は社内設備のほうが安全なのでは? と思う人もいるかもしれませんが、社内で不慣れな人間が管理するよりも、最新設備を整えた“プロ”に対策をしてもらえるという点で、より安心と考えることもできます。

従業員のメリット

一方、従業員にとってのメリットには以下が挙げられます。

  • どこでもサービスを利用できる
  • 大容量データなどの扱いがしやすくなる
  • 他の人と共有が可能

従業員にとっては、作業効率の改善が大きな利点です。どこでもサービスを利用できることで、移動中や自宅での作業も可能となり、ワーク・ライフ・バランスの実現につながります。また、自社のサーバでは気軽に容量を拡張することはできませんが、クラウドサービスなら必要に応じて容量の増減が可能となるため、「大容量データの扱いがスムーズにできる」ということもあります。また、スタッフ間で情報を共有できることで、共有したい資料をいちいちメールや郵送する必要がなくなるというメリットも挙げられます。

クラウドサービス導入のポイント

一方、せっかくクラウドサービスを導入しても、共有範囲が制限されすぎて利用価値がなくなるなど失敗例もあります。ここで、導入の際に気をつけておくべきポイントを確認しておきましょう。

1. 導入前に利用範囲を確認する

業務の内容によって、情報セキュリティ上アクセスできるメンバーの範囲が決まってきます。会社全体で共有する情報なのか、特定部署のみに限られた情報なのかを区分けし、クラウドサービスでどの情報を扱うかを明確にし、それに合ったサービスを検討しましょう。

2. 担当者を決める

サービスの利用方法を社員全員が理解するために、各部署に比較的詳しい社員を担当者として配置しましょう。実際に導入をスタートしてみてはじめて分かる問題もあることを考えて、すぐに対応ができるようにしておくためでもあります。

3. 事業者選定は慎重に

クラウドサービス会社の選定は、どこでもよいとは限りません。夜遅くに業務を行なってトラブルが起きた場合、時間外のサポートができないところだと業務がストップしてしまいます。自社の業務の特徴と必要なサービスを理解したうえで、それに合ったサービス会社を選びましょう。

4. まずは一部のグループで小さくスタートする

最初から全社でスタートしてしまうと、予測していないことが起こり、影響も大きくなります。まずは一部のグループや部署から限定的にスタートし、その後全社に広げていくというプロセスを踏みましょう。

なお、導入時の確認項目については、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が「中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き」として、確認項目のチェックシートを作成しています。こういったものを活用し、スムーズなクラウドサービスの導入を目指しましょう。

仕事で活用できるクラウドサービス

では、仕事に活用できるクラウドサービスにはどのようなものがあるのでしょうか。

ビジネスチャット

電話やメールで行っていた業務連絡を、チャットでやりとりするものです。気軽に送信・返信ができるため、やりとりがスムーズに進みやすく、複数でのやり取りも可能です。
代表的なものとして、以下のようなサービスがあります。

チャットワーク

チャットやタスク管理ができるツールです。スマートフォンのアプリを利用すると、自分宛のメッセージがプッシュ通知で届きます。
https://go.chatwork.com/ja/

Slack

チャットやビデオ通話ができるツールです。大企業向けのエンタープライズ版もあります。
https://slack.com/intl/ja-jp

Teams

Microsoftが提供するチャットツールです。電話やWEB会議の機能がついています。また、さまざまな外部サービスと連携することが可能です。
https://products.office.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software

クラウドストレージ

写真画像や映像など容量が大きくなりがちなデータをクラウド上のサーバに保管できるサービスです。複数で共有でき、スマホなどを利用して社外からでもアクセスが可能です。
代表的なものとして、以下のようなサービスがあります。

Dropbox

2GBまで無料で、友人などを招待すれば最大16GBまで無料で使うことができます。さらに容量を増やしたい場合はDropbox Proがあり、月額1,200円(消費税別)で1TBまで容量を拡大できます。
https://www.dropbox.com/ja/

GoogleDrive

無料で15GBまで利用できます。もともとGoogleドキュメントという同社の文書作成ソフトのデータ保存用のためにスタートしたものであるため、Googleドキュメントで作ったデータは容量無制限で利用できます。
https://www.google.com/intl/ja_ALL/drive/

BOX

無料で10GBまで利用できます。Word、Excel、PDF、AI、EPS、PSD、写真など、120種類以上のファイルをプレビューできるため、いちいちファイルをダウンロードせずに内容を確認することができます。
https://www.box.com/ja-jp/home

グループウェア

組織内でスケジュールやプロジェクト、タスクなどの情報を共有してコミュニケーションをとることを目的としたものです。社内SNS、掲示板、スケジュール管理、データやドキュメントの共有、ワークフロー、勤怠管理といった機能があります。
代表的なものとして、以下のようなサービスがあります。

サイボウズ ガルーン

数十名規模から5,000人以上の大企業までをカバーするグループウェアです。メール、チャット、ファイル共有、掲示板、スケジュールなどの基本機能はもちろん、部門、拠点、プロジェクトなどのカテゴリ別に、社内の情報を集約できるポータル機能が特長です。
https://garoon.cybozu.co.jp/

Chatter

SNSに近いユーザーインターフェースを持ったChatterは、チャットベースで社内の情報共有を行えるグループウェアです。部署別、プロジェクト別などでグループを作成でき、ディスカッション、アンケート、ナレッジ共有、Q&Aなど、過去の事例やノウハウを共有しながらプロジェクトを進めるための機能が充実しています。
https://www.salesforce.com/jp/products/chatter/overview/

ジョブカンワークフロー

1ユーザー300円から利用できるワークフローシステムです。おすすめのポイントは同じシリーズで経費精算、勤怠管理、採用管理、労務管理、給与計算システムがあり、それぞれと連携を取って業務効率がアップできることです。
https://wf.jobcan.ne.jp/

クラウドを活用して仕事をスムーズに

IT化が進むにつれクラウドサービスの普及は広がっています。クラウドサービスを仕事に活用することは、企業にも従業員にも様々なメリットがあります。コストや時間の削減にもつながり、ひいては会社や社員の成長につながります。多数あるサービスを吟味し、より賢く活用していきましょう。

参考: